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2005年06月18日(土) 楽天はJリーグから手を引け

神戸(楽天)がエメルソン・レオン監督を解任したことは書いた。誠に残念だ。レオンは若手育成のプロだ。いまブラジル代表フォワードに抜擢されたフォビーニョはサントス時代、レオン、ルシェンブルゴの二人の名監督の下で腕を磨いた。フォビーニョを試合で使ったのはレオンだった。
神戸(楽天)はレオンを監督に招聘した。それはチームの改造が目的でなくてほかに考えられない。下位に低迷し、将来を担う若手の人材が見出せず、カズがFWでレギュラーというチームに魅力があるはずがない。もちろん、これはカズが悪いという意味ではない。彼は努力してレギュラーの地位を維持している。Jリーガーのなかで、尊敬すべきプレイヤーの一人だと思う。けれど、神戸(楽天)が強くなるためには、カズを追い越す人材が出ていなければいけない。
そこそこの外国人選手と契約し、そこそこのJリーガーを寄せ集め、降格スレスレの地位に甘んじているのが神戸(楽天)のいまの実態だ。どこかで飛躍を求めるのならば、少なくともレオンの手腕と情熱に3年はかけてみるべきだった。
楽天はプロスポーツを理解していない。クラブを知名度アップ程度の広告手段としてしか見ていない。チームを強化しサポーターの期待にこたえ、地域の活性化に寄与しようとする意欲を感じない。小手先だけの強化策、知名度におんぶした選手獲得――どれをとっても中途半端だ。
神戸(楽天)がユースにどれだけの強化費用を使っているか知らない、高校、JSL、J2等々にどれだけのスカウト網をもっているか知らない。ただ、結果として神戸(楽天)はいい選手を保有していないし育てていない。
クラブを強くするためには、カネが必要だ。指導者、外国人選手、移籍、レンタル、若手の発掘と育成・・・これらの手段が有機的に機能するためには年月が必要だ。J2に降格することだって覚悟しなければいけない。J1のトップクラブとしていま君臨している浦和だって、J2に降格したシーズンがあったではないか。でも、サポーターは応援し続けたし、浦和市内には、サポーターが集まるスポーツバーや居酒屋が繁盛している。そこに集うサポーター諸氏は、浦和の戦いを肴に酒を飲み試合を批評し、自分達のクラブのいまと将来を語り合う。非日常(ハレ)の世界に漂うことによって自己を活性化し、あくる日から日常(ケ)の世界に立ち戻っていく。スポーツ文化とはそういうものだ。スポーツを利用してモノを売ればいいという魂胆だけではだめだ。販売促進を目的にしたクラブ運営では、地域住民そして地域文化に貢献することがない。
楽天にはスポーツ文化を育む資格がない。即刻、Jリーグから撤退してもらいたい。


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tram