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2005年06月04日(土) 超人ヒデ

日本がバーレーンにアウエーで勝ち、ドイツに一歩近づいた。日本の1本のシュートがネットを揺らし、バーレーンの1本のシュートがポストを叩いた。おそらく、両チームの決定的な場面の数に差はない。実力も似たようなものだ。にもかかわらず、結果に差が出たのは、Jリーグという基盤をもつ日本と、それをもたないバーレーンとの差だろう。もちろん、そのことに比例して、選手の経験の差も大きい。
日本の勝因は、決勝点を上げた小笠原か、3−6−1(3−4−2−1)というシステムを採用し、彼を先発に起用したジーコ監督か・・・
筆者は、バーレーン戦を勝利に導いた功労者として、ボランチで出場したヒデを第一に挙げる。ヒデは攻守にわたり献身的プレーに徹した。彼が走った距離は両チームの選手の中で一番長いのではないか。その存在感は群を抜いていた。日本代表において、“ヒデ”が規律そのものであったと言って過言でない。俊輔、小野(欠場)、稲本、三都主・・・と日本の中盤には「いい選手」がたくさんいるが、チームの背骨となる選手はヒデをおいていない。彼は普段の言動から、「個人主義的」な人間のように思われるが、少なくともピッチの上ではそうでない。ジーコジャパンという規律をもたない集団に、ヒデがその存在で規律を植えつけている。調子のいいヒデが入った日本代表は、個の集合体から規律をもったチームに変貌する。
第二の功労者は中澤、宮本、田中の3バックだ。「鉄壁」という見出しもあったが、まさにそのとおり。裏をとられない配慮と読みの深さ、ハイボールにも強さを見せた。北朝鮮戦、イラン戦で見せた球際の弱さも克服した、と言いたいところだが、バーレーンというチームは、北朝鮮、イランに比べて当たりが弱い。殊勲の3バックが、次の北朝鮮戦でどれだけ強さを見せられるか。大いに楽しみだ。
蛇足だが、バーレーン戦前、イランvs北朝鮮が試合途中まで放送された。この映像を見る限り、北朝鮮は強くなっている(結果は0−1で北朝鮮が負け)。バーレーンよりは、スピードがあるし当たりも強い。監督の選手交代の早さは懸念材料だが、それだけ決断力があるともいえる。バンコクで日本が苦戦することだけは間違いない。北朝鮮を下したイランは、チーム戦術、個人技、体力において、日本を上回っている。いま、イランがアジアナンバーワンのチームだろう。


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