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2005年05月06日(金) ウッズは正しい

ヤクルトの藤井が中日のウッズにビーンボールを投げ、怒ったウッズが藤井に右フックを見舞った。ウッズの行為は当然だ。ビーンボールを投げる投手は乱闘覚悟でなければ投げてはいけない。ウッズがマウンドに向かったとき、藤井は来るなら来てみろ、と大きく手を広げた。これは乱闘覚悟のポーズだ。ヤクルトのコーチは「計画的犯行だ」と、たわけたコメントを発しているようだが、プロのコーチなら自軍の投手を守るため、ウッズと一戦交えるべきだった。そんな度胸もないか。
プロの投手が投じる硬球は凶器だ。打者を威嚇するため、頭や身体に向かって投げる以上、打者からの報復を覚悟しなければ投げてはいけない。審判が危険球を認定する基準は、投手が頭部めがけて投げたときに限られる。打者をのけぞらせる投球は投手の投球術だいうのなら、投手が絶対優位となり、野球は成立しない。頭部にいかなければ危険球とならない以上、打者はきわどい内角球により、肘や腕、指などの骨折の危険にさらされる。
野球とは、投手絶対優位のスポーツだ。打者がヒットする確率は、4割を超えることがない。その投手が打者に故意に内角球を投ずることが許されれば、野球は頽廃する。極論すれば、投手は打者を保護する立場にある。投手が絶対的優位に立っているのが野球というスポーツなのだから。投手のコントロールミスでボールが打者の近くにいったならば、投手は打者に謝罪することがマナーだ。
報道によると、中日の落合監督はウッズを処分しないと明言しているらしい。監督として、当然だ。日本では、打者の報復行為を「暴力」と報道するが、投手の必要以上の内角球攻めのほうが暴力そのものなのだ。投手の暴力を抑止するため、打者は退場覚悟で報復行為をする。打者はそれだけ、不利なのだ。「暴力、暴力」と一方的に騒ぐヤクルト及びスポーツマスコミはおかしいし、根性がない。自分達の暴力を隠蔽して、暴力抑止に立ち上がった打者側の抗議を封じ込めるのは、よくない。スポーツマスコミは、今後、危険球と認定されなかった危険球投げた投手の側を批判すべきなのだ。もっとも、危険球専門だった某投手を野球解説者にしているTV局もあるくらいだから、日本のスポーツマスコミは、“打者は危険球に対してすべからく「泣き寝入り」しろよ”と、いっているようなものなのだが・・・
さて、投手が打者に対していつもいつも打ちやすいボールを投げていたら、打たれてしまうのは当然のこと。だから、投手は内角、外角、高低、速度・・・に変化をつける。投手には、これだけの選択肢がある。投手の打者攻略のメニューは十分すぎるほどあるのだ。加えて、「危険球」が選択肢として許されてしまったら、打者は投手の投ずるボールを絶対に打てない。つまりプロスポーツとして、野球は成立しなくなる。
スポーツマスコミは、危険球に近いボールを投じた投手が打者の報復パンチを受けることを前提にして、報道してほしい。圧倒的優位の投手がさらにそのうえ、危険球という武器を持つことは、あまりにも公平さを欠く。
ウッズの行為は、日本の投手とスポーツマスコミへの警告であり、野球というスポーツの公平さを担保する行為なのだ。だから、スポーツマスコミは、ウッズを批判してはいけないどころか、むしろ藤井を批判し、ウッズを支持すべきなのだ。


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