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2005年04月23日(土) 長谷川監督、初勝利

Jリーグ、清水vs千葉はいい試合だった。若き指導者・長谷川健太が老獪・オシムに真っ向勝負を挑み、みごと押し切った感がある。どちらにも勝たせたかった。筆者にとって望ましい結果は引分だったが、リーグ初勝利をかけた清水の精神力が上回ったようだ。筆者は以前当コラムで、長谷川健太は監督として才能を感じると書いた。チームの目指す方向性がはっきりしているし、あの戦力でしかもけが人が多い中、これまで、善戦が続きながら惜敗、引分けで涙を呑んできたわけだが、やっと結果に結びついた。クラブもサポーターも長谷川批判が出なかったそうだが、当然だろう。さすが、サッカーどころの清水だけあって、長谷川監督の指導理念を周囲が理解していたのだ。こういう風土ならば、いい指導者が育ちやすい。
圧巻は決勝点のシーンだった。後半30分前後だったろうか、交代で右サイドに入った平松が細かいドリブルでボールキープしながら、右SB市川の上がりをまつ。市川はサイドライン沿い長い距離を走り抜き、平松からのどんぴしゃりのパスを受け、美しいばかりのクロスをゴール前に上げる。FW久保山は、千葉のDF2人に競り勝ってヘッディングシュートを決める。4バックを目指しながら、3年間かかってもいまだ完成できないジーコ監督に見せてあげたくなるような、ゴールシーンだった。
前後したが、長谷川監督が目指すシステムは、Jリーグでは少数派の4バックだ。この試合、右SBで活躍したのが市川だ。彼はフランスW杯当時、高校生選手として、代表に選考はされなかったもののフランスに同行した逸材だ。
市川が完全復調して、豊富な運動量と正確なクロスがコンスタントに上がるようならば、4−4−2の右SBとして、ドイツ大会も夢ではないし、清水に市川と同等の左SBが育てば、面白いチームになる可能性がある。たとえば、千葉から磐田に移籍した村井のようなタイプだ。
それにしても、勝った清水、負けた千葉とも、よく走る。筆者の好みはこのような運動量の豊富なチームだ。球回しが速く、攻守の切り替えが速く、一対一に強く、サイド攻撃が得意。中盤でボールを奪えれば一気にゴールに迫る。長谷川監督でもオシム監督でも、どちらでもいいから、日本代表監督になってくれないかな〜。


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tram