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2005年04月22日(金) 浦和のトップ下

浦和が磐田の藤田の獲得に乗り出したという。浦和のオファーは極めて自然なものだ。優勝候補の浦和が下位に低迷する理由は、ラフプレーを繰り返すアルバイ、ネネがレッドカードにより常時出場できず、一人少ない試合が続いたこと、そして、トゥーリオがケガで欠場し、守備陣が不安定なってしまったことだ。
浦和はスター軍団だが、同一ポジションに同じようなタイプの選手がひしめいていて、チームバランスはよくない。構造的弱点として、強力3トップとボランチの間にぽっかりと穴があいたように、いい選手がいないことだ。これは死角だった。というのも、浦和のトップ下は、長谷部、山瀬の2人の若手が競っていた。ところが、長谷部はボランチに下がり、山瀬は横浜に移籍してしまった。そのため、右サイドの山田がトップ下を務めたものの、しっくりいかない。オランダリーグで活躍する小野は浦和出身だから、まさか彼が帰ってきたときのために席を空けて待っているわけでもあるまいが。名古屋から移籍した酒井も力不足だ。筆者はうかつにも、シーズン前、浦和の構造的弱点を見抜けなかった。多くのサッカー評論家諸氏も同様だったと思う。それだけ、浦和の攻撃陣が強力だったということかもしれない。勝てなくなってはじめて、山瀬の不在に覚醒したわけだ。
対策としては、前出のDF2人とFWエメルソンで使い切った外国人選手枠だが、こうなった以上、ネネ、アルバイのどちらかを放出して司令塔を獲得する手もある。けれど、浦和のフロントが他クラブで余剰となった日本人選手として、磐田の藤田に白羽の矢を立てたことは賢明だと思う。浦和のオファーは、浦和・磐田・藤田本人の三者にメリットをもたらす。こうした有意義な流動化については、ぜひ、実現してほしいものだ。


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