Sports Enthusiast_1

2005年04月08日(金) 朗報!

報道によると、日本代表の次期監督に、プレミアリーグ・アーセナルのアーセン・ベンゲル監督(55)が意欲を示していることが7日、明らかになった。
これはうれしいニュースだ。ジーコ代表監督時代は、日本サッカーにとっておそらく「空白の4年間」になる。このことは、日本がドイツに行こうが行くまいが関係はない。行けたとしたら、トルシエの遺産であり、行けなかったとしたら、トルシエの遺産が食い潰されたにすぎないからだ。
ジーコ時代、日本代表のサッカーに進歩はなかった。日本のサッカーは世界水準から見れば、けして20位前後にランクされるものではない。ホームの親善試合で勝ちを稼ぎ、FIFAランキングがバブルになったことは何度も書いた。かりに、世界20位にふさわしいものがあるとするならば、代表チームへのサポート体制だろう。サッカー協会の集金力、国民的関心・支援、クラブ側の配慮等々、サッカーの実力以外のところで日本サッカーは世界レベルに到達している。たとえば、長期間の代表合宿など、やりたくてもできない国の方が多い。もちろんベンゲルが日本代表監督に関心を示したのも、金満日本サッカーのギャラに関心を示したのであって、日本サッカーの発展に貢献しようと思ったからではないだろう。プロスポーツの世界、カネに関心を示すことは悪いことではない。お互い、おおいにカネを利用しあったらいい。筆者はトルシエもジーコもベンゲルも、サッカーの伝道師などと思っていない。彼らはW杯請負人なのであって、それで十分なのだ。
報道によると、ベンゲルのアーセナルとの契約が満了するのが07年。ジーコは06年のドイツ大会までの契約だから、1年間の空白はあるものの、ベンゲルが3年間指揮を執れば、日本サッカーはいまよりはいい方向に向く。
そもそも、フランス大会で指揮を執った岡田監督退任後の98年、協会はベンゲルに監督就任を打診し断られ、ベンゲルが推薦するトルシエと契約したことはよく、知られている。そのとき、トルシエ→○○○○→ベンゲルと、日本サッカーを体系的に発展させる戦略が描けていたら、サッカー観の異なるジーコを間の○○○○に挟むはずがない。現在の混乱の主因は、ジーコを挟んだことだ。サッカー協会のトップ・川渕キャプテンは商売はうまいが、体系的に思考できない人物なだけに、ジーコ後の代表監督の人選はどう転ぶかわからない。いまはそんなことを考える時期ではない、というのが本音かもしれないが。
なお、筆者は02〜06年の期間について、まったく期待をしていない。半ばあきらめ状態た。「あきらめている」というのは、ドイツ大会出場をあきらめているのではなく、ドイツに行っても行かなくても、日本サッカーは06年まで停滞から抜け出せないという意味だ。ドイツ大会に出場しても、日韓大会のフランスのように惨敗するだろう。選手の世代交代が進まず体力的に後退局面にあり、ヒデを筆頭に海外組のモチベーションは上がらない。守備が安定しているので、サウジアラビアのような記録的大敗は免れるだろうけれど、予選リーグの突破はない。いま筆者の関心は、「ポストジーコ」にある。だから、ベンゲルが日本代表監督に立候補したというニュースは、信じられないくらいうれしいことなのだが。


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