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2005年04月01日(金) 深刻な問題(その1)

深刻な問題とは、「中田問題」「審判問題」だ。
まず、中田問題。中田(ヒデ)は、日本のサッカー選手の中でただ一人、世界のサッカーファンにその名をとどめている存在だ。全盛期を過ぎたけれど、先ほど行われたバーレーン戦では、献身的な守備、一対一の強さを見せつけ、彼がひ弱な日本代表選手とは一味も二味も違っていることを証明した。筆者は常々、中田が元気な間、日本のW杯予選突破が可能だと書いてきた。バーレーン戦を見る限り、完全復活とは言わないまでも、かなり回復に向かっていることは間違いない。彼が日本代表において重要な存在であることに変わりない。
では、巷間言われている「中田問題」とは何か――それは、実は「ジーコ問題」なのだ。代表監督が、中田(ヒデ)、中村、稲本、福西、三都主、加地、中田(浩)と中盤にひしめく日本代表選手をいかに有効に活用するか――監督の手腕が問われているのだ。一部マスコミはそのことを「中田問題」と矮小化した。監督に使われる中田(ヒデ)には、責任も問題もない。
ジーコ監督は中盤選手の有効活用方策として、4−4−2(のシステム)を選択した。「黄金の中盤」だ。3−5−2のサイドハーフの選手を、4−4−2でサイドバックに起用しようとした。この策は数的解決につながるが、サッカーのシステムは、そう簡単ではない。サイドバックというポジションは、サッカーの中で最も難しい。そう簡単にコンバートは進まなかった。
時の流れとは冷酷なもので、いまはW杯アジア地区最終予選が半分終了したところ。各国とも、残り3試合をなにがなんでも勝たなければいけないのであって。最適なシステムを模索している段階は過ぎた。
日本にとって最強のライバルであるイランの場合、日本戦で、ジーコ監督の3−3−4(3トップ)の予想を裏切り、2トップできた。イランは、2つのシステムを自由に使えるチームに仕上がっていた。一方の日本は、この場に及んで、システムと選手の不具合を云々していた。両国の代表チームの完成レベルを比較すれば、イランの方が圧倒的に高い。日本代表チームは、3年間かけて、システムが完成されていない。となれば、日本はイランに勝てない可能性が高い。
日本は北朝鮮(H・A)で勝って、バーレーンに(H)で勝って、(A)で引分けるが、イランに(A)で負けて(H)で引分けるから、勝点11となる。イランは北朝鮮(H・A)、日本(H)、バーレーン(H)に勝ち、バーレーン(A)、日本(A)に引分けるので、勝点14まで行く。バーレーンは、(H・A)でイランと引分け、北朝鮮とは(A・H)で勝ち、日本とは(A)で負け、(H)で引分けるから、勝点は9にとどまる。
中田問題はだから、それほど深刻ではない。が、明日とりあげる「審判問題」はもっともっと深刻だ。


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