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2005年03月23日(水) なぜ柳沢なの

イラン戦直前にして、日本代表にまたまた暗いニュース。MF藤田がケガで完全離脱。練習中に玉田も左ふくらはぎを負傷し調整遅れ。急遽、イタリアセリエAメッシーナの柳沢が代表入りした。確かにイランまでの距離はイタリアからの方が日本からよりは近いけれど、近ければ「代表」というものでもないだろう。
柳沢が先発出場した20日のボローニャ戦をTVで見た。柳沢は4−5−1の左サイドで先発、前半、右サイドへのポジションチェンジもあった。柳沢はこの試合、およそ75分間プレーし、放ったシュート1本、ダゴスティーノのクロスに鋭い飛び込みを見せあわや得点かと思われるシーンが1度。それ以外は、メッシーナは一人少ないのではないかと思われるほど、柳沢の影は薄かった。
試合結果は0−0のドロー。セリエAの厳しい守備という面もあるけれど、柳沢にはパスをもらう動きも位置取りもないし、サイドなのでポストプレーもない。味方から無視されているようにさえ見えた。0−0ということは、ボローニャ、メッシーナのすべての選手が得点を上げられなかったのだから、柳沢を責められない。にもかかわらず、柳沢に存在感がない。なぜか。
TV解説のT氏によると、イタリアにおける柳沢の評価は「二列目の選手」、つまりFWではない。彼がJリーグから日本代表に選ばれた当時のポジションは、もちろんFW。日本を背負うストライカーとして期待されていた。ところが、セリエAに行き、いま2つ目のクラブで左サイドで先発しているということは、FWの能力がないことを通告されたようなものだ。
このたび、藤田の代役ということは、ジーコ監督が柳沢を「二列目」で使う可能性を滲ませている。さらに、鈴木のケガの回復が思わしくないとき、柳沢ならばFWで使えると考えたのかもしれない。そう考えると、柳沢の代表入りは合理的な選択にも思えるが、セリエAで今シーズン無得点のプレーヤーが日本代表でいいのだろうか・・・
さて、イラン戦の先発が見えてきた。システムは4−4−2、FW:高原と、[鈴木・玉田・柳沢]の3人のうちコンディションのいい者、MF:中田(ヒデ)、中村、小野、福西、DF:加地、三浦、中澤、宮本。MFのボランチは福西が先発し、先発すると思われた海外組でしかも「黄金の中盤」の一角・稲本が控えにまわるらしい。
3トップのイランには4−4−2の方がおさえやすい、というジーコ監督の判断だと報道されているが、本当だろうか。選手に故障が多く、チームにならないまま、ジーコ監督は「海外組」という名をとって、「Jリーグ組」という実を捨てたか。


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tram