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2004年12月21日(火) やっぱり、若さだ

韓国が、日本に完勝したドイツを破った(3−1)。サッカーライター吉崎英治氏のリポート(日刊スポーツ・ドット・コム)によると、「何をしでかす?―突発性が蘇った韓国」とある。吉崎氏によると、韓国は日韓W杯と全く同じ、両サイドFWがワイドに開いた3−4−3のシステムで、スタメンに23歳以下の選手を5人起用。とにかく若さにまかせてドイツから3点を奪ったようだ。試合後、クリンスマン監督も「対人プレーの強さと、カウンターの鋭さがあった」と脱帽。ボンフレール韓国代表監督は意外とクールに「若い選手は来年の最終予選でもピッチに立つだろう」と短く話したという。また、大韓サッカー協会のスタッフの一人は、「02年W杯組は、あれだけのことを成し遂げると、どうしてもモチベーションが保ちにくくなる。人間だから仕方がないよね。反面、若い選手はなんとかアピールしようと必死さを感じる。この先、いいポジション争いが繰り広げられそう」と語ったという。
ときを同じくしてそのころ、05年W杯最終予選の予行演習ともいうべき親善試合に出場する、日本代表メンバーが発表された。発表されたメンバーを見て、相変わらずだなーと失望した。
ベテランだから代表から締め出す、という根拠はない、スポーツに年齢は関係ない、という正論を覆す論理もない。だが、先の吉崎氏のリポートの中の大韓サッカー協会のスタッフの発言は極めて示唆に富んだものだし、代表チームが進むべき方向を示している。モチベーションの高い若手と経験豊富なベテランをバランスよく選出する、という構成もあり得るだろうが、いずれにしても、代表チームが勢いに乗るためには、若い力がいる。
サッカーで何が一番必要かと問われれば、私は運動量を真っ先に上げる。運動量が落ちなければ、負けないサッカーができる。運動量を保証するものは何か言えば、若さをおいてほかにない。今回発表された日本代表メンバーから、「何をしでかすか?」という期待を感じないどころか、またか、という失望を抱くのは私だけだろうか。
JリーグCSを制覇した横浜、第二ステージ2位をキープした市原のサッカーには、「何をしでかすか?」に近い雰囲気がある。いまの日本代表メンバーからは、エネルギーの枯渇のような寂しさを感じる。とくに稲本、高原の海外組、鈴木、小笠原、中田(浩)の鹿島組、藤田、三浦のベテラン組に活力・魅力を感じない。日韓W杯経験者で固めた代表は経験という財産をもっている一方、モチベーションという面は弱い。安全策か積極策かと迫られれば、もちろん後者を選択するのが勝負師=プロの監督というものだろう。
代表監督が描くイメージに代表選手が引っ張られ、すべてが躍動するようなチームにならなければ、これから先きっとつまずく。
端的に言えば、いまの代表に新しいスターがいない。代表試合に使われなければ、彗星の誕生はあり得ない。


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tram