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2004年11月13日(土) ボロを買ったか、楽天

新球団楽天の選手(40人)が決定した。ポジション別に見ると、▽投手 金田、谷中、戸叶、小林、小倉、徳元(以上オ)、川尻、山村、有銘、福盛、愛敬、高村、矢野、小池、朝井、吉田、佐藤(以上近)▽捕手 高橋(オ)藤井、新里、近沢、長坂(以上近)▽内野手 斉藤、大島(以上オ)、吉岡、高須、前田、山下、坂、星野(以上近)▽外野手 佐竹、竜太郎、小島、中島(以上オ)、森谷、益田、礒部、鷹野、川口、牧田(以上近)――となっている。
プロ野球の戦力で最も重要なのは投手陣だが、上記分配ドラフトの結果では、楽天投手陣が手薄なことは明らかだ。04年シーズンは、金田(2)、谷中(1)、戸叶(4)、小林(1)、小倉(4)、徳元(1)、川尻(4)、福盛(2/10S)、高村(2)、矢野(1)、吉田(3)だ。※(  )内=勝利数。単純に勝星を合計すると、25勝だ。オリックスの具(6勝)、ムーア(6勝)、フィリップ(2勝)、近鉄のバーン(6勝)、パウエル(8勝)、カラスコ(8勝)の外国人を除き、楽天に分配された投手陣の勝ち星を合計すると、たった25に過ぎないのだ。オリックスに分配された岩隈が一人で15勝を上げているから、いかに楽天の投手陣が弱体であるかがわかる。
野手陣の戦力分析については省略するけれども、やわらちゃんの夫君(谷)、ノリこと中村の両看板が楽天にいないとなれば、パリーグ最弱と言って、間違いだと言う人はいないと思う。
一方、ソフトバンクはダイエーを居抜きで購入しそうだ。こちらは、パリーグの最強チームで、福岡ドームという立派な球場をもっていて、九州圏を中心に根強いファンが多い。ダイエー本体が産業再生機構入りしたり、ダイエー球団と米コロニー社との間に密約があったりと、ソフトバンクによるダイエー球団買収には、不透明さが伴うと思われたが、ここのところの報道を見る限りでは、あっさりと、ソフトバンクに決まりそうな雰囲気だ。「果報は寝て待て」か。
どちらがいい買い物をしたのかと言えば、いまのところ、ソフトバンクであることは明らかだが、しかし、球団所有の目的をマスコミへの露出度アップ、パブリシティー効果、知名度アップでの観点で測れば、楽天の方が圧勝だ。
だが、楽天と参入を争ったライブドアを交えて比較すると、ライブドアは参入競争に敗れて球団は所有できなかったけれど、パブリシティー効果として最も高く、球団買収・球場改修費・球団運営費等に係る投資・経費を一切かけなくてすむという点で、もっとも得をしたという見方もできる。
プロ野球をめぐるIT企業3社のうちの勝者は、いまのところライブドア→ソフトバンク→楽天ということになる。
だが、球団経営も企業経営も長い目でみなければいけない。楽天が仙台で成功すれば、この会社に新たな評価が加わることになる。そのころ、ライブドアという社名が世間から忘れ去られているとすれば、楽天が他の2社を抜いて、勝者に踊り出る可能性も残されている。


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