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2004年09月14日(火) 老害、磐田を救えるのは

先日、当コラムでチームの世代交代の難しさについて磐田に触れたが、その磐田の桑原監督が成績不振で解任されてしまった。この措置は当然と言えばそれまでだが、昨年まであんなにも強かっただけに、桑原氏が積極的な手を打てなかったのはやむを得ない面もある。勝っているときにレギュラーを外すことは難しい。いまの日本代表監督は、試合中でさえ、「勝っているときは動かない」と明言してはばからないようだが、頑固さは、骨があるように見えて、サッカーでは危ない。勝負やチームを預かることの難しさについては、いくら書いても書ききれない。監督稼業は素人には無理なのだ。
さて、桑原氏の後任(もちろん、バトンタッチされたのは、鈴木氏だが、鈴木氏の任期は1月1日まで。)は当然、前五輪監督のY氏というのが既定路線と思われたが、どうもそうではないらしい。磐田がY氏と断言しない理由としては、Y氏に火中の栗を拾う勇気がないのか、もっと適当な人材が見つかったのか――のどちらかが考えられる。というのも、磐田の場合、監督としてフェリペ氏を招聘した実績があるからだ。フェリペ氏は磐田の監督を辞した後、ブラジル代表監督で02年W杯優勝、ポルトガル代表監督で04年ユーロ準優勝の実績を残した名監督。もちろん、フェリペ氏は、磐田に来る前に、ブラジルのクラブチームの監督を歴任した人物ではあるが、磐田の人選は的を得たもの以上だった。監督選びに長けた磐田がY氏だけに的を絞らず、広く人材を求めているとするならば、次期監督はきっとクラブの発展に資する人材に違いない。磐田の新監督発表が、おおいに待たれるところだ。
さて、磐田のこの間の凋落については、「老害」に加えて、サイドプレイヤーの西の不調、福西、田中の代表組の疲労といった要因が重なっている。老兵ゴンのスーパーサブも淋しい限りだが、同じくサブの川口も最近、キレがなくなった。しかも、前に書いたとおり、若手とレギュラーの差が縮まらない。悪いことは重なるものだ。
ただ、磐田のチームづくりについて、納得できない面が1つある。それは外国人選手の獲得がないことだ。磐田といえば、ブラジル代表キャプテンを務めたドゥンガ選手を獲得したほど、思い切った補強をするクラブだった。ドゥンガ選手の加入がなければ、磐田はこれほど強くなっただろうか、とまで言われた。つまり、磐田には、優秀な外国人選手を積極的に加入させてきた実績があったにもかかわらず、いま現在、高原の穴埋で獲得したFWグラウ以外、特に優れた外国人選手の加入がない。このことは極めて、理解しにくい。磐田が構造的要因(=世代交代の失敗)により弱体化したことは明らかだが、軌道修正、応急処置を怠ったことも事実。クラブを立て直す積極策を取っていないという点では、監督以外の責任もないとは言えない。


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