Sports Enthusiast_1

2004年09月06日(月) 王者の受難

欧州の王者・ギリシアが、アルバニアにアウエーで負けた。王者ギリシアは、ホームでめっぽう強いといわれる小国アルバニアに不覚をとったことになる。こういう負けはサッカーにつきものだ。ギリシアチームに緩みがなかったとはいえない。
また、98年W杯・2000年欧州王者・フランスが、イスラエルとホームでドローに終わった。二人の王者が、格下と思われる相手に足元を掬われた感じだ。
しかし、私はギリシアとフランスの不覚は、まったく異なるように思える。とりわけ、フランスのチーム状態の悪さに唖然とした人が多いのではないか。フランスの悪さは、不調というより、構造的なものだと考えられる。フランス開催のW杯当時に上り坂だった選手が代表から引退したが、それを埋めるだけの選手が育っていない。イスラエル戦では攻撃といえば、FWアンリの個人技だのみだった。監督にも批判が集まった。ジダンに代わりゲームメークできるジウリー、ピレスを先発で使わず、いたずらに時間を浪費したというのだ。その批判が正しいかどうかは留保したい。とにかく、私がカウントした限りでは、この試合、フランスの決定的チャンスは僅か2度にすぎなかった。イスラエルは、アウエーで強豪と戦う際の教科書のような布陣を敷いてきたのだが、フランスは最後までそれを突破できなかった。かつてのフランスであれば、2度の決定機のどちらかをものにしたか、もっとチャンスをつくって勝点3を上げただろう。
フランスは明らかに、下降のサイクルに突入した。底はまだ先だから、フランスには、このような引分か負けが、この先も続く。オランダがそうだったし、ドイツにも、いま、その予兆がある。
日本のJリーグでは、磐田が同じような後退局面に入った。中山、名波、服部、藤田らに力の衰えが見え始めたのだが、彼らを追い越さなければいけない控え組の力が弱い。若手が台頭せず、チームが弱体化している。磐田の場合、カレンロバート、菊池、成岡、前田といった若手がいるが、経験不足だったり実力不足だったりで、レギュラークラスとの差が埋まらない。強豪チームが避けたくて避けられない泥沼に足を踏み入れてしまった。クラブチームの場合、外国人の補強で急場がしのげることもあるが、外国人枠は3人に限定されている。磐田の場合、FW高原がドイツに行ったところで、グラウを補強し穴を埋めた。それに加えて、複数のレギュラークラスに翳りが出たのでは、外国人の補強枠では賄えない。
ここで、五輪代表監督だったY氏が磐田の次期監督に就任する、という報道に期待がかかる。私はこのコラムでY氏の監督能力を批判してきた。Y氏が構造的に弱体局面に突入した磐田を再建できたならば、Y氏は自らの監督能力の証明を果たしたことになる。もちろん、そうなってほしいわけで、その意味で、Y氏が磐田の監督に就任する意思表示が待たれるところだ。


 < 過去  INDEX  未来 >


tram