サッカーJリーグ東京ヴェルディの森本が注目されている。中学生でJリーグデビューを果たしたのだから、当然だ。日本代表に選ばれるのではないかという評価もあった。さて、森本の評価――私は、評価を控えたい。いまの森本は中学生としては最高のサッカープレイヤーであり、Jリーグのなかでもそれなりに活躍できる選手であることを認めよう。だが、その先はわからない。本人の精進はもちろんだが、精進しても、先は未知数だ。人間は己の身体をコントロールすることができない。いくら努力しても、その成果には限界がある――直前のこのコラムで書いたばかりだ。 たとえば、水泳に岩崎選手という、五輪で金メダルをとった女子中学生がいた。彼女はその後、水泳界で活躍することはなかった。彼女に精進が足りなかったのかどうかは知らない。私の推測では、彼女の運動能力は中学生でピークを迎え、その後、後退したはずだ。運動能力には個体差がある、というのが私の確信だ。私はスポーツ科学の専門家・研究者ではないので、単なる素人の確信にすぎないのだが。 岩崎選手のような極端な例ではないが、私の場合、中学時代、陸上の短距離走の選手としてメダルをとった。ところが、高校生になると、記録が伸びなくなった。私の100m走の自己最高記録は○秒○○だが、それは中学生のときのレコードだ。このような事例はたくさんあるのではないか。繰り返すが、人間の運動能力と成長の関係には個体差があり、必ずしも、年齢とそのピークは合致しない。運動選手には、早咲き遅咲きがあるものなのだ。 だから、森本の運動能力がこれから右肩上がりを描く保証はないし、たとえ、早晩限界に達したとしても、森本の問題ではない。かりに森本の運動能力の向上が止まってしまったとしても、彼の精進・努力不足とは限らない。だから、彼が活躍できなくなったとしても、揶揄したり、批判したりすることは控えよう。このことは、平山(筑波大)にも当てはまる。彼がスーパー高校生であったことは認めるが、そのまま右肩上がりでうまくなるとは限らない。 ブラジルサッカーでは、10代前半でプロ契約をし、ブラジルリーグで活躍する若手選手は日本よりはるかに多いが、そのなかで、ブラジル代表に上り詰めることができる者は限られている。昨年の南米選手権で活躍したサントスの2人の若手、ジエゴ、ロビーニョはどうしているのだろうか。そういえば、サントスの監督のレオンがやめたらしい。もちろん、成績が悪かったからだ。レオンも日本に三度(清水〜V川崎〜)やって来て、ガンバ大阪あたりの監督になればおもしろい。いま、ガンバの得点源になっている長身FW・マグロンをJにつれてきたのは、ヴェルディの監督に就任したレオンだったと記憶している。レオンは若手の才能を見抜くことができる監督の一人だと私は思っているのだが…
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