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2004年04月26日(月) チェコのサッカー

正直言って、チェコのサッカー事情について何も知らない。知っている選手はネドベドだけ。言うまでもなく、彼はスピード豊かで非凡な選手だ。
チェコには数年前、観光旅行で行ったことがある。美しい街並みの首都プラハの中心地・ヴァーツラフ広場では、派手な衣装を身に着けた「俳優達」が、その夜開かれるコンサート、人形劇、演劇などのチケットを売り歩いている。プラハは芸術の街なのだ。観光客の私には、チェコ人はどちらかと言えば田舎くさい東欧にあって、比較的繊細でエレガントな雰囲気を持っているように思えた。
サッカーでも、チェコは東欧で実力ナンバーワン。FIFAランキングで10位以内をキープしている。W杯日韓大会では予選で負けたけれど、あのオランダも来られなかったのだから、仕方がない。
チェコのサッカー選手のうち、日本で一番知られているのは、いま神戸の監督のハシェック氏だろう。Jリーグ発足時、広島〜市原でプレーした。当時から理論派で知られ、チェコサッカーを最も象徴する人物の一人だ。
チェコのサッカーは私の知る限り、速いパスまわしを得意とする「つなぐ」スタイルだ。その一方、DFでは大型選手がにらみを利かせ、相手のクロスを跳ね返す。そんなプレースタイルを持っている(ように思える)。
日本は、ハンガリーよりもチェコから学ぶところが多いように思う。チェコのパスまわしは、日本が目指す方向に近い。また、組織・規律がチームに浸透していて、しかも、選手一人ひとりがチーム戦術を理解し理論武装しているように思えるからだ。
欧州にあって、平均的に体力・体格面で劣るチェコ人は、スピード、結束力、組織力で相手を圧倒し、適材適所で自分達の良さを最大限活かそうとと図っている。日本が世界の強豪と戦うとき、チェコが持っているサッカースタイルは大いに参考になるだろう。
今回の日本代表の東欧遠征は、東欧のなかでもチェコとハンガリーという対極的な2つの国の風土を経験するという意味で、意義深い。「東欧のサッカー」などと一口では言えない。東欧のみならず、各々の風土が形成するサッカースタイルを経験することは、日本代表が目指すべきサッカースタイルを明らかにする。それはサッカー指導者の仕事ではあるが、選手は戦うことにおいて、それぞれのサッカーの特性を経験してほしい。そこから見えてくる結論は、「個人だ、組織だ」という不毛な二項対立でないことだけは確かなのだ。
トルシエ前監督は、日本人がやらなければいけないサッカーというものが分かっていた。彼はその性格上、文化的対立を経験することにより、無意識のうちに「日本人のサッカー」を導き出したのだと思う。それが、W杯日韓大会当時の日本サッカーの集大成だった。彼は理論派ではない、感性で日本サッカーの方向性を自覚し、実行した。勝負師とは、そういうものだ。目指すべきサッカースタイルを知り、けして誤らないことが、勝負師たる代表監督になくてはならない資質なのだ。いまの代表監督は、その資質を欠いている。


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