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2004年03月17日(水) U23とは、魔物の棲む世界か

五輪アジア予選・東京ラウンドにおいても、日本(U23)代表の厳しい戦いが続いている。年齢制限(U23)を設けたチーム同士の戦いでは、力の差が出てこないのだろうか。日本のU23はまるで、魔物にでも魅入られたかのように、自分たちのサッカーができていない。
バーレーン、UAE、レバノンは国の代表であることはいうまでもないが、いずれも小国で、人口を指標にするならば、日本の地方都市程度のスケールにすぎない。たとえば、新潟市、岡山市くらいの地域代表が日本代表と戦っているようなものだ。私は中東サッカー事情に全く暗いが、この3国には欧州・南米・日本のようなプロチーム〜下部組織をもったクラブがあるとは聞いていない。推測だが、この3国のサッカー協会の事業規模は、日本サッカー協会の何十分の1にも満たないのではないか。
昨日、日本を苦しめたレバノンの監督は、“自分達のチームは20日間の準備しかしてこなかったが、2年も準備をしてきた日本とほぼ、互角だった”というような発言をして、日本を皮肉った。
思えばU23日本代表は、2年以上の歳月をかけ、強化のための国際試合を行い、数回の代表合宿を行うなどの準備をしてきた。かなり周到な準備をしてきたとはいえても、準備不足とはとてもいえない。準備面では、日本は中東の小国を大きく上回っているにもかかわらず、試合は白熱した。試合内容を見る限り、どちらが人口1億人を擁する大国だかわからない。
日本選手の運動能力が先天的にサッカーに向いていない、と結論づける根拠はない。中東3国と比較するならば、身長において日本は他の3国より高く、おそらく、体力的差異はないだろう。
もっとも、サッカーは実力が上であるから常に勝つとは限らない。勝負事はすべて、やってみなければわからないのであって、サッカーはとりわけ、その傾向が強い。順当な勝ちもあれば、番狂わせもあり、アンラッキーな引き分けもある。“運も実力のうち”といえることもしばしばだ。
前に書いたことがあるが、私の知る限り最大の番狂わせは、アトランタ五輪において、日本がブラジルを破った一戦だろう。五輪であるから、U23代表に数人のオーバーエイジをプラスしたもので、フル代表ではなかった。
あの試合、ブラジルが終始ゲームを支配したがシュートが決まらず、日本が偶然のような1点を取り、逃げ切った。たまたま日本人の記憶に残る試合が「マイアミの奇跡」と呼ばれるブラジル戦なのであって、世界中には、それこそ数え切れないほどの「番狂わせ」があるに違いない。
だから、サッカーでは、どんなに強いチームでも、負けを覚悟しておく必要がある。運に見放された結果の負けを恥じることはない。でも、敗北の責任はだれかが負わなければいけない。通常、その役は監督ということになる。
代表監督とは、世界で最も過酷な労働の1つかもしれない。


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