| 2004年03月02日(火) |
転がらないボール/ジーコ更迭近し |
●五輪予選UAEラウンド バーレーン戦、日本五輪(U23)代表は辛うじて引き分けた。試合内容からして、勝てる可能性はなかった。FIFAランキングなど、なんの足しにもならない、日本のサッカーの実力はこの程度。 五輪予選UAEラウンド前の親善試合で、日本はイランU23代表、ロシアフル代表と引き分け、韓国U23代表に勝った。この結果を受けて、スポーツマスコミが一気に五輪代表を持ち上げ始めた。韓国に勝ったときには、五輪予選突破は問題なし、Y監督は名将との評価が蔓延した。 私はそうした見方に否定的だった。ホームの親善試合の結果など、なんの参考にもならない、FIFAランキングはバブル、Y氏は監督としては素人、と、このコラムで何度も繰り返してきた。さて、真剣試合の結果はご覧のとおり。Y監督の評価はこれで一気に下がる。 試合を支配したのはピッチコンディション。TVではわかろうはずもないのだが、推測ではおそらくかなり長い。そのため、ボールが転がらない。結果、田中のドリブル、松井のパスは封じられた。松井は才能がありうまいのだが、長い芝生に勝るパワーがない。今後の課題だ。 Y監督がとった作戦はパワープレー。管見の限りだが、スポーツマスコミはこの作戦を「安全策」と評価した。確かにそういう面もある。負けなかったのだから、適切な作戦だと。 私は違う。ボールが転がらないのなら、スルーパスをサイドのオープンスペースに出して、速いウイングプレイヤーがクロスを上げる作戦があった。ところがこの試合、日本には左サイドハーフがいない。右は途中から石川が入ったが、左サイドハーフを入れたくてもベンチにいない。松井が通用しないのなら、森崎をトップ下に入れて、スピードのある左サイドプレイヤーを入れたら…とくに、前半、左の森崎が右足で出したクロスを平山が合わせ、あわやゴールかというシーンがあった… 私の予感――Y監督が平山頼り(=ロングボール中心のパワープレー)を続けるならば、五輪代表はこの先、バランスを崩す。Y監督が「ボールを持ったら15秒」という観念的サッカーを追及する限り、強い相手の逆襲を食らって、失点する。ロングボールを多用するチームなど、相手に弱気をさらしたようなもの。相手は日本を舐めてくる。 話し代わるが、中東チームは引いてカウンターかロングボール、という定番報道はおかしい。中東のサッカースタイルは明らかに、変化している。中盤ではプレスをかけてくるし、サイド攻撃もある。中東勢の守りは伝統的に堅いのだから、日本が先取点を取られると(中東勢に限らず、サッカーではどこでもそうだが)苦しいどころか、勝てない。
●川渕提言、一蹴さる 川渕氏がジーコ監督に示した改善策、ジーコ監督に一蹴された。金満日本サッカーの蜜に群がるジーコファミリー、せっかく手にした利権、そう簡単には手放せない。この決裂、スポーツマスコミは深刻なものと報道していないが、このことでジーコ解任は早まった、と思う。これで川渕氏はジーコ支援を打ち切る。ジーコは背水の陣をしいた。アジア1次予選で負けか引き分ければ更迭だ。もちろん、そのとき日本は1次予選で敗退する可能性のほうが高い。 ジーコ監督には、日本代表を強くする気持ちがない。ジーコ監督は、日本代表の調子が上がらないのは海外組のコンディションが悪いからだと考えているようだが、根本的に間違っている。ジーコ監督は知名度を利用して海外クラブに圧力をかけ、代表召集を優先させて、クラブの拘束を解こうとしているようだが、そんなパワーゲームをしてみても無駄というもの。それは監督の仕事ではない。GMか事務局長の仕事だ。 日本サッカーの現段階は、組織、戦術の面で規律(ディシプリン)を必要としている。W杯ベスト16という実績をマスコミもサポーターも早く忘れてほしい。五輪代表をみても、バーレーンと日本の力の差はないし、フル代表がホームで苦戦したオマーンと比較すれば、オマーンのほうが上かもしれない。当てにならないFIFAランキングだが、顔ぶれから推測して、日本は40位でも上すぎる。まだまだ、監督が選手を鍛えなければいけない段階なのだ。
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