| 2003年12月18日(木) |
ボカの勝利がACミランを苦しめる |
トヨタカップに敗れたACミランには、散々な結果が待ち受けていた。PK戦をめぐって、チームに内紛が勃発したらしい。これまで欧州最高という評価を受けていたクラブが、一挙に二流・三流の評価になってしまった。勝てば官軍の喩えのとおり、敗者には厳しい批判が待ち受けていた。 ミラン選手のウェッブサイトのコメントなどを読むと、彼らはこの一戦に最悪に近いコンディションで臨んだことがわかる。 プロスポーツの世界では、「プロなのだから」という言葉が多用されるけれど、プロだから何でもやれというのも困ったものだ。プロなんだから、言い訳はしないけれど、それでも・・・と、ACミランの選手達は言いたいに違いない。勝ったボカは疲れも忘れ、いまごろ「世界一」の美酒に酔っている。南米の選手はたとえトヨタカップに負けても失うものは少ない。ボカの選手の最高年俸は3,000万円に満たないらしいが、契約金と合わせるとその20倍近いミランの選手が負けたのだ。彼らが負けて、失うものはあまりにも大きい。 年俸だけがサッカーの実力を反映するわけではないが、ボカは有力選手が欧州に引き抜かれた後のチーム。欧州からの出戻組、若手、欧州からオッファーのなかった選手で構成されている。ボカを率いて名将の誉れ高いビアンチ監督もセリエAのローマの監督に就任したことがあるが、1シーズンで解任されている。監督も含めて出戻りなのだ。 さて、トヨタカップをホーム&アウエーで行ったとしてシミュレーションするとどうなるか。まず、イタリアではACミランの勝利は固い。ミランの鉄壁の守備、シェフチエンコを使った速攻が生きて1−0くらいのスコアでミランが勝つ。ブエノスアイレスではどうなるか。ミランのベテランDF陣ががんばってボカの攻撃を封じ込める可能性が高い。 でも、結果などどうでもいい。勝負は時の運、いくらミランに年俸の高い選手が多いといっても、サッカーでは何が起こるかわからない。ただ、いずれかの試合で、いずれかのチームのベストに近いパフォーマンスが見られることが重要だ。 一方、将棋ではないけれど、どちらかのチームの「受け」の強さも見られる。将棋には「指しきり」という決着がある。一方の棋士が敢然と攻めに出て、先手を取りつづける。ところが、攻めが切れて、追い詰められたかのように見えた棋士が勝つ。素人が見れば、圧倒的優勢に見えた棋士が駒を投げる。そんなシーンを見て、唖然とさせられることがある。 サッカーも同じようなものだ。ホームチームが攻めに攻めながら得点を奪えず、残り15分ほどでアウエーに得点を許して負けてしまう。あるいは、序盤でセットプレーでアウエーが1点をとり、そのままタイムアップ。ボンボネラのミランとボカの試合がそのような展開になるかどうかわらないけれど、ホーム&アウエーにおいては、そうした展開が少なくない。それもまた、サッカー。実に深みのある試合展開ではないか。日本で行われるトヨタカップには、そんな展開は期待できない。
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