Sports Enthusiast_1

2003年12月07日(日) 香港チームから学ぶ

サッカー東アジア選手権・日本vs香港は、日本が1−0で辛勝。日本の得点はPKだった。香港の強い当たりと執念深い守備にてこずって、日本はフィニッシュが決まらない。勝てたことは幸運だった。
この試合の日本の攻撃は、前半は左サイドに偏りすぎ。右サイドハーフの山田が守備の意識が強すぎて鋭く前を目指さないため、3―5―2のメリットが出ない。左サイドハーフのサントスは水を得た魚のごとく活躍したが、左右の揺さぶりにダイナミズムを欠き、形をつくりながら得点できなかった。
この試合では、香港の健闘が光った。世界的な選手がいなくとも、チームとして意思統一し激しく食い下がれば、サッカーではそうかんたんに点を取られない。少ないチャンスを生かせば、勝つこともあり得る。これが公式戦の厳しさだ。日本と香港の前に行われた韓国vs中国では乱闘があった。日本vs香港の試合でも、久保が香港選手と小競り合いを起こしイエローをもらっている。親善試合では絶対にお目にかかれない光景だろう。乱闘がいいとはいわないが、真剣勝負をすれば、そういうシーンも起こり得る。
強豪に立ち向かう時、香港代表ができて日本代表ができないのが、この闘志を前面に出した試合運びだ。日本代表は、何度も書くことだけれど、自分達がうまいと錯覚して格上チームとの試合において、頭からぶつかる姿勢に欠ける。闘志を剥き出しにして、運動量を増やし強い当たりで相手をかく乱することができない。それができれば、チームの力は徐々に上がるし、見るものに感動を与えることができる。真剣勝負は、こうした国際的な公式戦、リーグ戦、カップ戦で経験できるのであって、親善試合ではだめだ。厳しい試合を重ねて、強い当たりで相手を揺さぶり、相手からの強い当たりに耐える訓練を積むことだ。親善試合では、こうした訓練はできない。
さて、日本代表は香港に足元を救われることは、どうにか回避できたが、次の韓国の当たりは香港よりはるかに強い。優勝がかかり、しかも、東アジアの王者というプライドをかけた、時差ぼけのない世界的な強豪との試合だ。おそらく、コンフェデ以上の圧力となろう。ホームだが、親善試合とは違う重圧があろう。この条件でジーコジャパンの真価が問われる。
見所は、ジーコ監督の指導力だ。選手のモチベーション、闘争心をどこまで高めることができるのか。代表監督の仕事は、選手選考・チーム戦術・戦略の立案だけではない。選手の心をいかにコントロール(言葉は悪いが、マインドコントロールである)し、一つのチームとして束ねるか。それができなければ、厳しく長いW杯予選の過程で、チームとしての挫折を経験してしまう。たとえば、中心選手を怪我で欠いて、弱いと思われている相手から勝点3を奪えないことなどが想定される。選手はマスコミ報道などによって混乱し、激しい精神的動揺がチーム内に生じるだろう。そんなとき、チームを立て直すのは、選手のマインドをコントロールする監督のマンパワーだ。私は、ジーコ氏にはそうしたマンパワーがないと推測している。勝負師としての度胸、勝負勘、駆け引きなどの能力も含めて、ジーコ氏には代表監督の資質がない。何度も書くように、ジーコ氏は、テクニカルディレクターとか選手団長のような役職が向いている。
香港戦、勝てなければ代表監督更迭と書いたけれど、辛うじての勝利を見て、ますます、ジーコ監督更迭の時期が遅すぎたことを確信している。
なお、FIFAランキングでは、香港は日本よりはるかに下だが、そもそも日本のランキングはバブルである。ホームの親善試合の勝利で上がったものにすぎない。香港戦で明らかなように、日本の実力は私の見方では、50位前後だ。しかも、50位が100位とやって勝つ確率は高いが、勝てないことある。1996年アトランタ五輪において、日本がブラジルに勝った、「マイアミの奇跡」を忘れてはいけない。


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