| 2003年12月02日(火) |
トルシエに戻ってしまった |
きょうの報道によると、サッカー日本代表は3バックに戻して、三都主を左のサイドハーフに戻すという。なーんだ、ジーコ監督はあんなに批判していたトルシエに戻ったのか。海外組がいないから、というのがその理由らしい。ジーコ監督が日本代表で最も期待する中村俊輔はケガでリタイア。中田、小野は欧州にとどまる。中村のケガはどうやら重症で、復帰には時間がかかりそう。海外組で構成する「黄金の中盤」など、一場の夢に終わった。W杯アジア予選を控えてもっとも重要な時期に、欧州組なしでアジア勢と日本代表が戦うという現実は、ジーコ監督が力説していた固定メンバー構想も崩壊させてしまった。ジーコ監督が掲げる、「黄金の中盤」「固定メンバー」がなぜ、「戦いの本質」として機能しないのかといえば、代表チームというものがもともと流動性の高い組織であることを知らないからだ。「戦いの本質」はタレントの寄せ集めからは生まれない。監督は、代表選手(=タレント集団)の中からその組み合わせを何パターンかを想定し、それぞれの適性に合った戦い方を頭に描く。パターンを越えて普遍的なテーマがあれば、それについて、名前を付けてもいい。たとえば、「フラットスリー」とか。しかし、「フラットスリー」はすべての局面で機能するとは限らない。相手あってのサッカーなのだから、フラットなDFラインを破る戦略を相手はとってくるだろう。それにはそれなりの対応が必要なのだ。しかし、浅いDFラインを敷いて中盤で強いプレスをかけて相手ボールを奪って速攻をしかけるという戦略は、どの相手に対しても普遍的に機能する。 相手が日本代表より実力があり、スピードのある相手ならば、中盤に速くて強い選手を起用しての、ディフェンシィブな戦い方が必要だろう。そのときには、代表メンバーはそうした適性をもったタレントでの戦闘を強いられる。日韓W杯のとき、ベスト8決定戦の相手はトルコだった。トルコは予選で戦ったベルギー、ロシア、チュニジアよりもはるかに、スピードのある強いチームだった。そこで日本代表に必要なタレントといえば、三都主だった。 本番では、代表選手は総数23人。GK3人を除けば、フィールドは各ポジション2人。たったそれだけの選択肢しかない。それまでの間、どれだけのチームをつくることが可能なのか。 いま、ジーコ監督が3バックに戻して三都主をサイドハーフで使おうとしていることは、「トルシエ」に戻ったことを象徴している。ということは、いまの日本代表は、02年のトルシエジャパン以上の力を持っていない。 いま、03年が終了しようとしている。日韓W杯から1年半が過ぎたのだ。この間に日本代表がやったことといえば、気合の入らない数試合の親善試合だけだった。選手も監督も緊張感に欠け、勝てなくても監督は選手を怒らない。1年半でふやけきった代表を鍛え直す時間は、はたしてあるのだろうか。
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