サッカーファンならご存知の人が多いと思うが、テベスはアルゼンチンリーグのボカのFWだ。いま、世界中のFWの中で最も才能のある選手の一人。若干19才。こんどのトヨタカップで日本に来る確率が高い。 私は前にも書いたことがあるけれど、トヨタカップの日本開催に反対だ。南米と欧州の覇者同士が戦う世界クラブチーム世界一決定戦は、冠イベントではすまされない。この決定戦は、南米と欧州の双方のサッカー文化(風土、スタイル、技術等を含めた)の戦いにほかならない。 南米の選手が欧州に行っている以上、サッカーに欧州も南米もない、という人がいるかも知れないが、それならばよけい、この決定戦がサッカーにおける風土性の意味を問うはずだ。だから、南米、欧州、ホーム&アウエーでやってほしい。テレビで観戦でも構わない。 ボンボネラ(ボカのホームグラウンド)のボカは、おそらく、東京のボカではない。ボカのリズムは選手と観客が共同で作り出すはずだ。ホームのボカには、カネで有名選手をかき集めた欧州のクラブとは違う強さがあるはずだ。 さて、カルロス・テベスに話を戻そう。いま南米で、いや世界のサッカー界で最も輝いている彼は、うまさ、速さ、強さ、バランスのよさ、精神のタフさといった、サッカー選手に必要な才能のすべてを備えている。アルゼンチンで彼を止めるには、ファウルしかないと言っても過言ではない。Jリーグには、やはり止められないエメルソン(浦和)というFWがいるが、テベスは、エメルソンよりもやわららかい。テベスは年端は若いが、そのプレイぶりは、極上のワインのようなまろやかさをもっている。 テベスは、来年、スペインのどこかでプレイをしているに違いない。アルゼンチンという風土が生み出したテベスが、アルゼンチンという風土を背負って欧州と戦うのは、こんどのトヨタカップが最後となろう。 ボンボネラで欧州チームと戦うテベスを、テレビでいいから見たい、というのが私の願い。東京に来るじゃないかという人もいるだろうが、東京のテベス?そりゃ、おそらく、別人だろう。
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