| 2003年11月11日(火) |
ダイエーはプロ野球から撤退せよ |
日本一になったダイエー球団が揺れている。混乱の主因は経営問題だ。もちろん、本体の経営が破綻しているのだから、球団の経営が順調なわけがない。ダイエー本体の再建のために球団が必要だ、という見方もあるだろうが、「小久保問題」では本体のイメージまで悪くしている。本来経営に行き詰まっている企業ならば、カネが必要なことはあたりまえ。有力選手を放出するならば金銭の見返りが常識だ。それに反して有力選手を無償で放出するのでは、経済原則に反する。明確な説明のない限り、人々はこの放出に納得しないし、裏取引、闇取引があると考えるのが普通だ。 ダイエー本体は多額の債務免除を銀行から受けていると聞いている。債務免除は庶民の金銭感覚からすれば、モラルハザードであり、庶民がローン地獄に苦しんでいる現実からすれば許しがたい行為だ。プロ野球は庶民層をファンとしてもち、庶民層の健全な娯楽として発展してきた。ファンはグラウンドの選手のプレーに夢をたくし、ささやかな希望を得る。庶民は、プロ野球では実力主義が貫かれ、二世選手や名前だけの選手は通用しないことに、潔さを感じる。その一方、トレードやFAにサラリーマン社会にありがちな左遷や転勤を重ね合わせ、新天地で復活した選手や監督に拍手を送る。 プロ野球に求められるのは、健全な球団運営であり、情報の公開だ。だから、経営母体が金融業であろうが新聞業であろうがかまわない。経営者がファンに対して、球団の実態をクリアーにすることが重要なのであって、だから、市場原理に則って球団が売買されることは悪いことではない。 いまのダイエー本体の経営者は、事情を知らない人間から見れば、球団を人質にして本体の存続に有利な条件を引き出そうとしているように見える。企業の経済性と球団の社会性という問題をあえて混同させ、本体の整理を妨害しようとしているように見える。 九州全体の発展という論理において、福岡に球団が必要なことに異論がない。しかし、ダイエーという企業を再建・整理するうえにおいて、球団が資産として有効ならば、買い手の付くときに譲渡すべきだ。新しい買い手としても、福岡にフランチャイズを置くことの方が球場やファン組織を引き継ぐのだから、有利である。テナント付きで賃貸用不動産を購入すようなものだ。かりに、新しい球団経営の参入を阻もうとする勢力がいまの球団機構内に存在しているとしたら、それこそ、プロ野球のオープンな発展を阻害する者であるばかりか、ダイエー本体の経営の再建もしくは整理を遅らせるものであり、その勢力は同時に市場社会の敵だ。 ダイエーは、リーグ優勝・日本シリーズ優勝で日本一になった。選手は金銭でその報酬を受けるべきだ。このチームは若く才能のある選手が多い。であるならばなおさら、彼らの実績が正当に評価される球団経営の下でプレーすることが必要だ。 最悪、パリーグが5球団であってもかまわない。そうなれば、私がこのコラムで提案した1リーグ制、2部組織の「プロ野球改革案」に近づく。「巨人一極集中」の歪みも払拭されるのである。
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