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2003年09月25日(木) チャンスを逸した

先日、アウエーで日本代表に完勝したセネガル代表のステファン監督は試合後、この時期、代表メンバーが長期間外国(日本)で合宿できたことはなによりの収穫であった、と語った。不慣れな外国で長期間、寝起きをともにしながら練習し、試合当日まで調整することは、代表チームにとって、かけがえのない貴重な経験である。アウエーでの厳しい体験を通じて、各選手は相互に理解を深め、人間関係を築いていく。選手間のコンビネーションは、練習、試合だけで育まれるわけではない。
さて、日本代表は10月、欧州遠征をするという。その代表メンバーの一部を知って、わが目を疑った。これまで、日本でプレーしていたときにはまったく無視されていた藤田が入り、さらに、広山らの海外組が召集されていたのだ。二人が選ばれたのは悪いことではないが、第一戦には、これまで主力とされてきたDF4人が一人も参加しないらしい(宮本はケガ)。最も相互理解を必要とするDF陣が・・・
ジーコ代表監督は、「固定メンバー」による試合経験の必要性を力説し、そのことが代表強化の要諦であるかのような発言を繰り返してきた。であるならば、貴重なアウエー戦こそ、「固定メンバー」とやらが、コンビネーションを醸成する絶好の機会ではないのか。「固定メンバー」が代表招集されなかった理由は、国内大会のためだという。そんなに大事な時期に、なにも代表戦など海外でやる必要はない。わたしはジーコ監督が、「固定メンバー」にこだわったとき、それは間違いであることを指摘した。いまごろの時期、「固定メンバー」にこだわったところで、代表強化につながるわけがないことは明白。
サッカーではリーグ、代表を問わず、「固定メンバー」でいつも戦えるわけではない。だから、今回の海外遠征で新しいメンバーをテストすることに異論はない。しかし、ここまで代表をガラガラポンで選ぶとなると、ド素人、その場その場の状況主義、ご都合主義。強化ビジョンなど、まるでないことの証明だ。これでは、海外遠征は、日本代表強化ではなく弱化につながりかねない。「ジーコジャパン」に対する不安はいよいよ、増すばかりだ。
いまの日本代表に欠けているのは、主力海外組と新戦力のギャップだろう。それは精神的なもの、技術的なもの、経験、相互理解など、サッカーに必要な要素のすべてだ。それらを埋める絶好の機会が海外遠征=アウエー戦だ。
06年W杯アジア予選の開始時期はいまだ不透明だが、代表が海外遠征する機会はどれだけ残されているのだろうか。ガラガラポンで選ばれた代表選手が親善試合をこなしても、成果に結びつくものは少ない。代表の海外遠征は、海外でレギュラーをとれない選手の慰労会か。


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