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2003年09月15日(月) まだ辞めないの、ジーコさん(続々)

フランス人であるセネガル代表監督のステファンは試合後、日本代表のことは親交のあるトルシエ前日本代表監督から情報を得た、とコメントした。このコメントは多分、ステファンのジョークだろう。彼が言いたかったのは、ジーコよりトルシエのほうが監督の能力は上だよ、ということを言いたかったのではないか。それは穿った見方だろうと思われるかもしれないが、フランスとブラジルは、世界を二分する世界のサッカーの実力国。互いにライバル意識があるに違いない。セネガルは先の日韓W杯でフランスを奈落の底につき落とした国。監督はフランス人だったから、優勝者がブラジルであったことは皮肉というほかない。一方のブラジルは、その前のフランス大会でホームのフランスに苦杯をなめた。ライバル意識がないはずがない。
世界の代表監督市場においては、フランス人監督はけっこう活躍している。フランス人はロジカルだと言われている(実際どうかしらないが)し、実際、W杯でもアフリカ勢を中心にフランス人監督は実績をあげている。日韓大会における、セネガルの躍進は、フランス人監督のメソの手腕という評価が定着しているし、日本のベスト16はトルシエの実績。
その日本代表のポストトルシエはブラジル人のジーコ。ジーコはかつて、トルシエを批判し続けていたが、実際監督に就任してからというもの、実績が上がらない。そこで、ステファンは、フランス人として、ライバルブラジルのジーコの鼻を折ってやろう、と茶目っ気を働かせたのではないか。
ま、そんなこじつけはともかくとして、ステファンが日本の中盤の中心選手からボールを奪う、という作戦を立てたことは、理にかなっていた。日本の戦力の基盤は、ジーコが誇る「黄金の中盤」。ところが、この中盤へのこだわりが、世界のトップクラスから見れば、大いに時代遅れ。中盤で繋ぐことは大事だが、無駄に回していれば、相手にチャンスを与える。しかもビッグチャンスを。
いま世界のトップレベルで得点を上げることができる形のほとんどは、速攻。中盤でつないでスルーパスでシュート、という形ではほとんど得点にならない。セネガル戦で日本が見せたスルーパスがチャンスに結びつかなかったことは、すでに書いた。
セネガルはもちろん、個人個人がすぐれた身体能力をもっているし、得点もセットプレーからのスーパージャンプからのヘッディングだから、「あの得点は仕方がない」という声が日本のスポーツマスコミにあるようだ。得点シーンにだけに注目すれば、そういう面しか見えないが、サッカー(試合)全体を見通せば、いま日本代表が陥っている大問題が見えてくる。ジーコが「黄金の中盤」を捨てることができるなら、日本代表復活のチャンスがある。(文中敬称略)


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