| 2003年06月26日(木) |
トルシエが紡ぐ遺恨物語 |
前日本代表監督のトルシエ氏がカタールの代表監督兼TD(テクニカルディレクター)に就任した。まずはおめでとうございます。それにしても、トルシエ氏とは楽しい人物である。コンフェデ杯でジーコ采配を批判したかと思えば、日本が予選敗退した数日後、カタール代表監督に就任してみせ、ジーコジャパンに公然と挑戦状を突きつけてきたのだ。 カタールといえばその首都はドーハ。ドーハといえば…、もはや説明の必要がない。日本人の多くのサッカーファンがドーハで起こった「事件」を、トラウマのようにいまなお、引きずっている。トルシエ氏はかつて、ジーコ氏から突きつけられた数々の批判を受けて立つため、戦いの場をアジアに求めた。しかも、日本人が絶対に忘れない国の監督として。 コンフェデ杯を視察したトルシエ氏は、「日本代表は、(自分が監督を務めていたときに比べて)後退している」とジーコ氏を挑発。監督時代に、ジーコ氏から受けたトルシエ采配批判に反発して見せた。おもしろいことになったものだ。アジア予選で日本とカタールが同じグループになれば、日本vsカタールは、ジーコvsトルシエの代理戦争となる。 さて、カタールのサッカーの実力だが、残念ながらまったくわからない。アジアカップ、W杯アジア予選などでみたその姿は、ほかの中東チームと区別できない。常に引き気味で、カウンター攻撃。リスクを避ける戦法が徹底していたように記憶している。欧州で活躍するほどの選手を知らない。カタールの実力は日本に比べれば数段落ちるだろう。だが、中東の選手というのは、いかにも潜在能力が高そうにみえる。経験を積めばうまくなりそうだし、パワーもありそうだ。これまで、いろいろな事情で国際交流が少なかったかもしれないが、2年ほどの準備でその溝は埋まるに違いない。 トルシエ氏がせっかく準備してくれた舞台だが、おもしろい場面が見られるかどうかは、トルシエ氏自身の手腕にかかっている。カタールのサッカー協会は日本ほど甘くない。代表戦に負ければすぐ解任されてしまう。日本におけるジーコ氏ほどの待遇は期待できない。私の見通しでは、アジア予選でジーコvsトルシエ戦争が見られる確率は、50%を超えない。
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