成長の波にのる選手を集めたチームは強い。プロ野球だと、今シーズンのこれまでの阪神。発展途上の若手がチームを引っ張り、ベテランが実績どおりの仕事をする。シネジー効果が働き、好成績につながる。 チームが強くなったと言われる時、こうした現象を見いだすことが一般的である。日韓W杯のトルシエ・ジャパンでは、鈴木(ゲンク)、稲本(フルハム)、松田(横浜)、宮本(ガンバ大阪)らがそうだった。彼等はそれまでの代表の顔=中山、名波、岡野、秋田、井原らに代わって、チームの主軸となった。トルシエが実績にこだわり、フランス大会に準じた選手を使いつづけていたとしたら、W杯であれほどの成績は残せなかった。 4年間で肉体が衰えることもあるが、成長の止まる主因は精神面だろう。欧州では、多数のタレントをそろえたポルトガル代表があまりいい成績を残せなかったが、その理由として、中心選手の一人・フィーゴの不振が挙げられる。フィーゴは世界一のギャラを稼ぐサッカー選手だが、W杯では活躍していない。彼の全盛期、ポルトガルが予選を突破できなかったため、フィーゴの勇姿をW杯でみることはできなかった。 W杯は、予選を含めて長丁場である。予選でよくても本戦で力が発揮できないことは、アルゼンチンがいい例だ。そういえば、日韓大会のアルゼンチンは、バティ、オルテガ、ロペスといった、前大会の主軸が残っていて、成長の波にある選手は少なかったような気がする。フランス大会の日本チームでは、ヒデが成長の波を感じさせる唯一の選手で、名波、中山、(代表からもれたが)カズらは、どちらかといえば、下り坂だった。 このように、みる側が経験を積むことによって、W杯成功のプロセスを思い描くことができる。もちろん、勝手な想像の世界だが。これもサッカーの楽しみの1つ。
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