Sports Enthusiast_1

2003年04月02日(水) がんばれ、不良債権処理投手

読売の桑田投手が横浜戦で好投したらしい。あいにくと、その試合を見ることができなかったが、私は以前、桑田投手の昨年の活躍を、「燃え尽きる前の蝋燭の炎」と形容して、今シーズンは活躍できないと書いた。まだわからないが、私は自分の桑田評価が軽率だったことを反省している。もちろん、このたびの好投で評価を換えたわけではない。
私が「燃え尽きる前の蝋燭の炎」と書いた2,3日後、新聞の経済欄を読んでいたとき、私はこの投手の大事な部分を見逃していたことに気が付き後悔した。その記事というのは、銀行の不良債権処理についてであった。そうだ、桑田投手は不動産投資に失敗して、いま、莫大な借金を抱えているんだったっけ。週刊誌報道によると、読売球団が桑田の収入全額を管理し、桑田本人に渡る金額はギリギリの額。残りは借金の返済に充てているという。
桑田の横浜戦の好投の結果は、幸運ではない、たまたま調子が良かっただけでもない。この投手を支えているのは体力や技術ではなく、借金を返済してみせる、という人間としての矜持なのだ。ゼネコンや大手流通業が借金を棒引きされ、経営者は経営責任をとらず、逆に多額な退職金をもらって悠々自適の老後を過ごしている。その大元の大手銀行は公的資金を注入されて経営者、行員、高額な給料を貰い続けているばかりか、経営者に至っては、大衆の預金を人質にとって、日本経済を奈落の底に突き落としたまま知らん顔だ。
こうした経済人の頽廃ぶりと比べれば、桑田投手の頑張りは素晴らしいの一語に尽きる。さすがスポーツマン、私の桑田投手への評価について、スポーツ選手としてというよりも、いまの日本人のあり方の評価として間違ったことを深く反省している。かりにも、日本の大企業経営者に桑田投手のような気概があったならば、また、桑田投手のような、責任の取り方に向かった立ち居振舞いがあったならば、日本経済はいまごろは回復軌道に乗っているはずなのだ。
私は桑田投手が嫌いであることは前に書いた。そのことは変わらないけれど、私はこの投手を応援している。桑田投手よ、腕をも折れよと投げ続けよ、その実績によって、大企業・大手銀行の無責任経営者を弾劾し続けよ。借金完全返済のその日が近からんことを、心より祈る。


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