Sports Enthusiast_1

2003年03月02日(日) 不完全燃焼

きのう(3.1)のK1ミドル級、魔娑斗と竹田公三の一戦は、魔娑斗の判定勝ち。勝ち上がりのK1の限界を露呈してしまった。竹田は1試合目から決勝をにらんだスタミナ配分のためか動きが鈍い。これは魔娑斗にもいえることか。竹田は第一戦にすべてを賭けた小次郎の玉砕戦法に先手を取られ、ペースをつかめない。辛うじて決勝に進んだ両者だが、結果的には僅差で魔娑斗に勝ちが転がった。この興行だけでは、どちらが強いともいえない。私を含めて、ファンには欲求不満が残った。こうなれば、竹田、魔娑斗のワンマッチが望まれる。
さて、前評判を言えば、竹田の方が魔娑斗を上回っていたように思う。ムエタイの王者という肩書きは強烈である。それだけではない。両者のキャラクターの違いである。テレビでは、竹田の独特のトレーニング方法(マシーンを使わない筋力トレーニングなど)や、禁欲的な食事(鶏肉を煮出して脂肪を取り除き、たんぱく質だけを摂取する料理法)が紹介され、それを見た私は竹田という選手に神秘的な強さを感じたのだ。一方の魔娑斗はというと、トレーニング方法は時代の最先端、ファッショナブルな格好で、モハメドアリのようなビッグマウスを駆使する。自らを「カリスマ」と称するあつかましさ。これには反発も大きい。私は魔娑斗より、竹田のやぼったいスタイルになんとなく共感した。
もう一つの興味は、重複するが、トレーニング方法についてである。魔娑斗のトレーニング方法は、最新式のマシーンを使用し、スポーツ界で有名なトレーナーを起用するもの。竹田がマシーンを一切使用せず、自重だけを使って筋肉を鍛える方法と対極的に見える。どちらが格闘技に有効なのか。
結果は魔娑斗に軍配が上がったのだが、この結果が実力を反映しているとは思えないことは、すでに書いた。30歳の竹田が勝負をかけるとしたら、いまのいましかない。このまま魔娑斗に屈するのか、借りを返すのか。ファンとしてはワンマッチ、3分5ラウンド以上、あるいは5分3ラウンドのムエタイ式での対戦を期待したい。


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tram