Sports Enthusiast_1

2002年12月03日(火) 凡戦

世界クラブチーム王者決定戦(トヨタカップ)、レアルマドリード(スペイン)がオリンピア(パラグワイ)を2−0で破った。マスコミの喧伝とは裏腹に、私にはこの試合、凡戦に見えた。
根本的には、冠大会を日本で開くことの愚。サッカーはホームとアウエーがあって成り立つ。戦う集団2つ、敵と味方の明快な関係だ。この大会が開かれる日本は、レアルマドリードにもオリンピアにも関係ない。
南米と欧州、どちらが強いのかという――重要でみなの興味を引く――この試合、やはりホームアンドアウエーで決めるべきだ。トヨタカップはサッカーのイベント化の典型だ。そして、日本のサッカーファンがこのような試合に興味を示すことは、健全なサッカーのあり方を阻害する。だいいち、見ていて面白くない。マドリードの選手は有名だから知っているが、だからどうした。オリンピアはだれも知らない。どっちが勝っても「いい試合」など、いわゆる「どうでもいい試合」だ。こうした大会が日本で開かれることはうれしい、普段見られない一流選手が見られる、という意見もあるが、私はサッカーをそう見ない。
トヨタカップのあり方には、広く批判がある。その1つは、南米の選手が欧州に行っているから、決定戦の根拠がないというもの。これは正論だが、南米のクラブにはこの正論を覆す底力があるから、決定戦としての有効性はある。ホーム&アウエー方式でやれば、結果はわからない。
かつて、ホーム&アウエー方式で混乱があったというが、それもサッカー。観客がいないサッカーはサッカーでない。ホームでもアウエーでもないサッカーはこれに準ずる。無菌状態でやる「ショーケースサッカー」なんて、やめる時期だろう。


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