Jリーグ最終節、残留争いを繰り広げていた3チームのうち、神戸、柏が勝利して、広島が降格した。広島の最終戦はすでに降格が決まっている札幌(札幌ホーム)。広島が勝ってほかの2チームが負けることが広島残留の条件だけに、広島は苦しい。この試合は乱戦で90分では4−4というすさまじい試合(延長Vで札幌勝利)。負傷者続出でかなり危険なシーンもあった。90分終了時点で柏、神戸の勝利が広島の選手に伝わったらしく、広島の各選手に苦渋の表情がうかがえた。勝利は時の運、チームの状態もいろいろあるので、残留・降格の結果は仕方がない。 さて、私の知る限りでは、ジーコ日本代表監督は、J2から代表を選ばないと明言しているらしいが、愚かなことだ。これまでは、中山(磐田)、森島、西沢(大阪)など、J2から代表入りしてきた。選手に能力があればそれこそ、学生であっても代表に選ぶべきだ。J1、J2の差は時の運、チームプレーのサッカーにあっては、選手個人の力ではどうすることもできないことのほうが多い。J2であっても世界に通用するプレイヤーなら、代表に選ぶべきだ。たとえば、広島ならば、駒野、森崎兄弟、高橋、久保らがいる。久保以外は、二十歳前後の若く才能がある選手達だ。彼らに代表の道を開かない理由がない。 さらにいうならば、J1の順位は外国人選手の力でいくらでも変わる。たとえば、昨年の東京ヴェルディは、エジムンドの加入で降格を免れた。鹿島のように、恒常的に優秀なブラジル選手を補強して、力を維持しているところもある。それは、クラブ運営として悪いことではないどころか、当たり前の企業努力なのだ。だから、クラブの順位と選手の力は比例しない。弱いチームであっても、そのチームの勝利のために献身的に力を出している選手に代表の道を閉ざしてはならない。 何度も繰り返すことだが、リーグのレベルアップ、リーグの繁栄は、代表入りを餌にしたモチベーションでは維持できない。代表→リーグ(クラブ)という、価値構造を転換することなのだ。地元に根付いたクラブ運営、サポーターの存在。もっといえば、クラブがリーグ戦勝利のために代表試合を蹴飛ばすくらいの気概をもてるかどうかなのだ。広島の若い選手たちもくさらずに、頑張って欲しい。
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