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2002年11月24日(日) すべてを見直せ、Jリーグ

Jリーグは後期残り一節を残して磐田が優勝した。磐田は前期、後期とも優勝で、「完全制覇」だという。そもそも、前後期制という日本特有の制度がおかしい。チャンピオンシップに冠がついて、リーグ収入が増えるかららしいが、この制度ほどクラブの実力を高めることを阻害する制度はない。
何度も書くことだが、日本サッカーの実力を高める方法は、リーグ戦の充実しかない。イベント型の国際親善試合など、無駄とはいわないが、効果は少ない。クラブが長いリーグ戦を戦い抜くために優秀な選手を集め、クラブでレギュラーになるために選手が練習し技術を磨くこと。リーグ戦という真剣勝負で選手は成長する。
前後期制が悪いのは、前・後期のどちらかに優勝する戦力でどちらかに優勝し、チャンピオンシップで年間王者を狙うクラブ運営が常態化することだ。鹿島がこのスタイルで年間王者になってきた、賞金を狙うには合理的な方法だが、鹿島の選手に悪い影響を及ぼしている。たとえば、柳沢が伸びていない。柳沢のレギュラーの座を脅かす選手が鹿島にいないからだ。鹿島のクラブ運営は、ブラジル選手を適当に補強し、前後期のどちらかで優勝する戦力を整えるものだ。補強選手が怪我をしたり調子が出ないどちらかのリーグでは眠っていて、けがが癒えたところで勝負に出る。これでは、日本人選手の力が伸び悩む。磐田が賞金をあきらめて、鹿島型のクラブ運営を否定したのだ。磐田こそ、真の王者、リーグ戦王者の名に恥じない存在だ。
磐田は、日本人選手の育成に力を入れている。これも鹿島と違うところだ。磐田は鹿島を筆頭とした、いまのJリーグのクラブ運営のあり方に警鐘を鳴らしたのだ。鹿島は真の王者ではないし、鹿島型のクラブ運営では、日本人選手が伸びないことを示したのだ。いまのJリーグのチェアマンは鹿島出身だ。ジーコ代表監督も鹿島の系列だ。ジーコ氏が代表監督にふさわしくないことは何度も書いたので、繰り返さない。もし代表監督を日本人で選ぶとしたら、実績から見て、鈴木磐田監督をおいてない。これも前に書いた。代表監督も早く変えたほうがいい。同時に、鹿島型のクラブのあり方を日本の他のクラブが真似してはいけないことも明らか。
おろかなVゴール制度(4人交代も含む)、実力を反映しない前後期制度、それに応じた輸入選手依存のクラブ運営、加えて、北半球にありながら、欧州とまったく同調しないリーグ日程、リーグ戦軽視のフレンドリーマッチ(サッカーのイベント化)、と、日本サッカーは完全にローカル化しているのだ。いい加減にしろJリーグ!はやいとこグローバルスタンダードに戻さないと、手遅れになるぞ。


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tram