というわけで、読売が4−0で西武を圧倒。質の違いが勝敗に反映してしまった。第一戦で見えた両リーグの違いが、白日の下に晒された。これでプロ野球の改革がより速く進むことを期待する。繰り返すが、短期決戦では常に実力通りの結果になるわけではないが、本シリーズでは、西武はきっかすらつかめなかった。結果論でなしに、実力の差なのだ。 パリーグの問題はなにか。まず、個々の選手のレベルの問題。レベルが低いところで大雑把な試合が続けば、個々の選手に緊張感が失われ、試合を通じたレベルアップが図られない。プレッシャーの弱いところでは実力は磨かれないのだ。 第一に投手だ。きのう私が書いたことと同じことを某大新聞も指摘していたが、パの優秀な投手はリーグから出ていってしまったのだ。パの力のある打者は、投手のカウントが悪くなったときのストライクゾーンのストレート狙いで、本塁打が打てる。パの関係者は「大リーグ」野球を勘違いしていて、なんでもかんでもストレート勝負がパワーベースボールだと思いこんでいるらしい。ストレートを常に150キロ近くで投げられる投手なら、勝負球はストレートに決まっている。だが、パの投手は松坂が最速で150キロ近いが、コントロールが悪すぎる。ほかの投手は最速でも140キロ程度。その程度の球速で、勝負球、あるいは、カウント稼ぎがストレートとなれば、打者の打ちそこない以外、結果はヒットかホームランだ。西口、三井、松坂を含めて、西武の投手陣はスライダーがいいけれど、配球、コントロールという部分で、やはり大雑把なのだ。だから、外国人のパワーヒッターがホームランを量産できる。 なお、第4戦にかぎれば、監督の投手起用もおかしい。西口を第4戦まで温存したのなら、第4戦は西口と心中だろう。後がないかどうかは問題外。西口を4戦目しか投げさせない(7戦中1試合)のなら、とことん投げさせて、9回はもちろん延長まで続投させる覚悟がなければ、温存した意味がない。西口は今季の西武では実力ナンバーワンの投手なのだ。斉藤にホームランは打たれたが被安打は2。流れは西武だった。西口が力投しているあいだに打線が高橋を攻略してリードを奪い、西口を8回、あるいは完投させてもいい。もう出番のない投手なのだ。それが選手と監督の信頼関係というものだろう。もちろん結果はどうなっていたかわからないが、勝負とは矛盾なく事を進めることだ。 「松坂中心」というのが監督のこのシリーズの(勝負の)コンセプトならば、リードしてからでもいいではないか。それにしても、いまの松坂が絶対的な存在なのかどうかどうか−−、大いに疑問の残るコンセプトではあるが。
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