野茂、伊良部、イチロー、長谷川、田口、清原、工藤、片岡、アリアス、野村(読売経由)、吉井(ヤクルト経由)・・・と続けば、これは近年、パリーグを離れた実力者だ。行き先は、大リーグとセリーグ。一方のセリーグからは、佐々木、新庄、石井が大リーグに行ったが、パリーグに移った選手はいない。もちろんほかにも、トレードや移籍はあったし、小宮山、木田ら大リーグに移った選手がいるが、主たる戦力と見なされないので省略する。 これをみれば、パリーグの戦力ダウンは明らかだ。さらに高卒以上の逆指名では、二人の高橋、上原、二岡の巨人組、川上(中日)らがいる。逆指名で活躍しているパリーグ選手は・・・である。 この事実をつきつけられて、パリーグの実力優位を主張する人は少ないだろう。パリーグの戦力補強手段は、外国人選手に限られているのだ。しかし、大リーグは人材不足、東アジアは力不足、日本球界で活躍できる選手は少ない。いまの野球界はあまりにも、偏りが激しすぎる。その結果、パリーグの存在意義は失われたのだけれど、セリーグだって、読売への一極集中が続いて緊張感がなくなれば、急速に魅力を失うだろう。 2リーグ制度の下でパリーグを改善するためには、完全ドラフト制度の復活、FA制度の廃止しかないのだが、実力が均衡するまで数年かかる。ならば、いまだに続く読売人気を利用して、野球界全体を再編するしかない。その具体策はきのう、展開したので繰り返さない。 1リーグでも大リーグへの人材流出は続く。続くけれども、才能をもった若手がどんどん出てくれば、プロスポーツというのは人気が出るのである。そのためのシステムを考えることだ。たとえばヤクルトだ。このチームは、ロケットボーイズという速球投手を育てて試合に出している。このような工夫が必要なのだ。 あとは熱戦である。最下位になってもそれ以上は落ちないなら、相撲でいえば全チームが横綱である。上をつくるよりも下をつくることで、人間は名誉のために戦うようになる。ましてやプロスポーツ選手を志すような人間は、みなプライドが高いのである。抜きんでた才能をもっている人間なのだから、当たり前だ。だから、そのプライドに火をつければよい。熱戦を生まないシステムが悪いのである。選手に火がつけば、熱戦が多くなるのは火を見るより明らか。
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