W杯に出場した日本代表メンバーの海外移籍が決まらない。決まったのは藤本主悦(オランダリーグ)、中村俊輔(イタリアセリエA)と代表外れ組だ。稲本はフルハム(イングランドプレミアリーグ)に移籍するらしいので、この分だと、中田、小野、稲本以外の代表メンバーは海外移籍にかからないことになりそうだ。噂の柳沢(ペルージャ・セリエA)も進展を見せない。一時、三都主のポルトガルという話もあったが、立ち消えのようだ。西沢、川口は実績を残すことなく帰国か。この分だと、海外移籍組がW杯開催前より減少してしまう。いまサッカー界はW杯バブルのような様相で、日本のランキングが24位まで上がってしまった。FIFAの評点方法には細かな規則が定められているようだが、私には、この位置は実力以上だと感じられる。 さて、ジーコは日本代表を南米型にモデルチェンジすると宣言したらしい。いまさら、サッカーに欧州型も南米型もないと思うが、要は1対1に強くて守備と攻撃の切り替えが早く、全員が守備と攻撃に参加する、というチームをめざすことが現代サッカーの基本だろうから、あまり言うほどの変化はないのではないか。 ただ、トルシエが主張した守備のフラット3という「システム」は、あまり、実態を反映したものではなかったように思う。実際の試合になれば、マンツーマンで相手を捕まえなければ守れないのだから。ラインをむやみに上げるのも、いまのオフサイドの「規制緩和」からすると、かなり危険であることがW杯前後の数試合で証明されたと思われる。 以前、日本代表の実力を計るにはW杯の戦績よりもW杯後に何人が海外移籍するかだ、と書いたが、この分だと、海外からのオファーがないということになる。まだ結論には早すぎる時期ではあるが。 私の不安をよそに、ジーコジャパンが走り出す。
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