Sports Enthusiast_1

2002年07月10日(水) なるほど。

朝のテレビで、日本代表GP楢崎選手のインタビューを偶然みた。いい男である。落ち着いている。人柄の良さがにじみ出ている。トルシエが楢崎選手をレギュラーにした理由がわかったような気がした。
GKというのはサッカーという競技の中でもっとも行動範囲が少ない。にもかかわらず、責任は最も大きい。およそミスが許されないポジションである。サッカーはミスの競技だといわれるが、GPだけは例外である。FWはシュートをミスしても頭を抱えれば済むが、GKは失職するだろう。
さて、今大会、最優秀選手に選ばれたのがGKのカーン(ドイツ)であったが、決勝でミスをし(チームは負け)た。イングランドのシーマンも同様である。そして相手はいずれも優勝したブラジルであった。ブラジルは相手チームのGKのミスで優勝したのだろうか。そのシーンを振り返ってみよう。カーンは、りバウドの放ったシュートを前にはじいたところをロナウドに決められた。シーマンは、ロナウジーニョのフリーキックを前に出過ぎて頭を越された。両者ともミスといえばミスだが、一瞬のスキををついたブラジル選手の勝負強さの結果だともいえる。ミスか相手の好プレーかの判断は、素人の私には難しすぎる。が、二人のGKには悔いが残ったことだけは確かである。
今大会、私にとって最も印象的だったGKはマルコス(ブラジル)である。マルコスはほぼ完璧(ノーミス)であった。カーンやシーマンのような派手さはないが、堅実かつ素早い反応で、決定的場面を何度も防いだ。優勝したチームだからいうわけではなく、GKがミスをしないことも優勝の条件の1つなのかもしれない。
マルコスのいいところは、球筋を読む力である。だから華麗な守備というよりも、堅実さが光るのである。もしかしたら、楢崎選手もマルコス型のGKかもしれない。しかし、才能があるGKがどんなに練習をしても、全試合にノーミス、あるいは好プレーを連発できるわけではない。説明のつかない運、バイオリズム、集中力があって、完璧さが成就されるのである。何度もいうように、GKもまた、運命のような偶然さからは逃れられない。


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tram