| 2002年07月04日(木) |
ワールドカップ余話(続) |
W杯日本代表に選出されなかった中村俊輔選手が、イタリアセリエAのレッジーナに移籍するらしい。代表に選ばれなかった選手のほうが代表選手よりも早く、海外移籍が決まるとは、皮肉な話である。ところで、このレッジーナがどんなチームなのかまったく知らない。でもセリエAに所属しているからには、相当な強豪だろう。中村選手には、一日も早くイタリアのサッカーに慣れてもらって、活躍してほしい。よく言われるように、当たり負けしない強い身体能力をもつこと、プレッシャーにつぶされない強い精神力をもつこと――「強さ」がポイントだろう。 さて、中村選手が代表に選ばれなかったことについてはずいぶんと、議論があった。が、トルシエ流を一貫して批判してきた私だが、この件については納得している。確かに中村選手の左足は魅力的だが、サッカーは止まったボールを蹴ることは例外である。FKは試合中そう何回もあるわけではない。基本は相手が邪魔するなか、走りながら蹴るのである。そのためには、スピード、強さがなによりも重要である。中村選手は、2つの基本要素において、他の選手たちに劣っているように思えた。Jリーグの守備のレベルでは彼の技術でなんとかなった場面でも、W杯レベルではつぶされることが危惧された。現代サッカーでは、中盤も含めた前でボールを奪われることのリスクはあまりにも高い。中村選手よりも、小野選手、明神選手、三都主選手のほうが、このリスクを回避できる可能性が高いように思えた。 中村選手がセリエAで活躍すれば、私の予見は見当違いだったことになる。セリエAからも目が離せない。
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