J1の仙台がタイムアップ寸前、神戸ディフェンダーのハンドの反則でPKを得て同点に追いつき、延長Vで連勝を伸ばした。元日本代表をそろえた神戸だが、平均年齢が高いせいか、終盤ついに力尽きた感がある。それにしても仙台の活躍はたいしたものだ。J2からの昇格4連勝は快挙である。仙台もベテラン主体のチームであるが、よく鍛えられていて後半になってもスピードが落ちない。シェイプアップが勝因の1つとみた。 そしてもう1つ、このチームを支えるのが文字通り熱狂的なサポーターの存在である。彼らは声援でゲームをコントロール、リードされたチームの終盤の常套戦術、パワープレイにリズムを与え、結果、神戸ディフェンダーを精神的に追い詰め、ファウルを誘ったのである。 延長戦に入ると、地震速報のため放送が中断、結果はビデオで確認したのだが、私はリーグ戦での延長Vゴール制度を認めていないので、(私の価値基準では)この試合はドローである。終始劣勢ながらアウエーでドローで終わった神戸はまずまず、といったところだ。 さて、その神戸、先のフランスW杯の日本代表を集めたようなチーム構成だが、心配なのは城である。一時はスペインリーグにまで行った選手だが、前線で体をはるプレイができていない。ポストプレイでボールをキープできていれば中盤の押し上げが間に合い、シュートチャンスが広がり得点の機会も増えるのに。でも、ヘディングなど高さに復活の兆しも認められるので、いずれブレイクする可能性はないとはいえない。 残る問題はカズである。もともとスピードが持ち味の選手なのだから、それが落ちたところで引退がベストの選択である。トップ下のような今のポジションは中途ハンパだし、ミドルシュート、ロングシュートはもともとうまくない。なんだか、粗大ゴミのような悲しい存在になってきた。
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