Sports Enthusiast_1

2002年03月05日(火) セルタ

昨日は早く帰ってBS1でリーガエスパニヨールのサッカーを見た。対戦カードはセルタvsレアルマドリードである。
セルタはラコルニーアとともに、ガリシア地方を代表するクラブだ。そもそも「セルタ」とは英語で読めば「ケルト」である。
スペインの歴史を紐解けば、ローマ人にイベリアと呼ばれたこの地域の先住民はアフリカ系を含めた「イベロ人」と呼ばれる地中海系の民族。そこに中部ヨーロッパからローマやゲルマンに追われたケルト民族がやってくる。そして、先住の「イベロ人」と混血したのが現在のスペイン人で、「セルティベロ人」と呼ばれている。その後、ローマがこの地を占領しラテン化が進むが、ローマもゲルマン人に滅ばされ、この地の支配者は西ゴート王国に代わる(東ゴートはイタリアに建国)。しかし、西ゴート人が支配したといっても、全人口に占めるゴート人の割合は数パーセントと推測されているから、民族的には「セルティベロ人」がスペインの主流であることに変わりなかった。その後、イスラムの侵略占領、独立、レコンキスタ・・・と続くけれどもキリがないのでやめておく。
ガリシアはケルト人の残した文化がいまなお色濃く残っている地方。ガイタ(スコットランド、アイルランドではバグパイプ)と呼ばれる楽器演奏のカルロス・ヌ二ェス、エヴィアらの音楽が世界的にブレークし、日本でも知られるようになった。聞くところによれば、ガリシアではケルト復興の動きも出ているという。
さて、試合のほうは一方的におしまくっていたセルタが、後半一瞬のスキをマドリードにつかれて、0−1で惜敗。セルタは惜しい星をホームで逸した。
これもサッカーである。手という人間の文明と進歩の象徴を奪ったこの競技、結果の多くが不条理の連続であるといっても過言ではない。だからおもしろいのだけれど。さらに、地域の歴史を知っていると、おもしろさも倍加するというものだ。


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