昨晩のサッカー、スペインリーグは強豪バルセロナvsヴェテイス(セビーリア/アンダルシア)。ヴェティスのホームゲームである。後半少しだけテレビ観戦できた。 面白かったのは、タイムアップ寸前だ。得点は2−1でホームのヴェティスがバルセロナをリードしていた。ホームで強豪バルセロナをリードしているとなれば、スタジアムは大騒ぎ。 まず、予備審判がロスタイム6分の電光掲示板を掲げたとたん、大ブーイング。いつのまにかボールボーイが姿を消し、タッチラインを割ったボールはグラウンドに戻らない。スタンドにボールが蹴りこまれれば、サポーターはボールを隠してしまうといった具合だ。サポーターはホームチームが勝つことだけを求めている。選手個人のファンや「いいプレイ」を見にくるという類の、勝負に中立なファンなど一人もいない。これがプロスポーツの原点だ。アウエーでやれば周りは敵だらけ。グラウンド内外のプレッシャーにさらされる。 ところで、先の冬季オリンピックで審判の誤審や地元びいきの判定が話題になった。中立であるべきジャッジがホームの北米に有利なものばかりだったというのである。考えてみれば、これが当たり前なのかもしれない。ホームの利というやつで、アウエーの選手は不利な条件で戦うことを予め強いられている。ならば、オリンピックも最初からサッカーのように地元有利を暗黙の了解事項とすればいい。なのに、「民族の祭典」だとか「フェアプレイ」だとかをうたうから矛盾が起きる。 オリンピックも(プロ)スポーツ大会、それ以上でも以下でもないのなら、開催地(ホーム)有利が当たり前でいいじゃないか。サポーターのプレッシャーにあって誤審(確信犯的誤審)も地元有利の判定もあるし、審判によっては逆に地元に不利な判定をくだす人もいる。 プロスポーツは地元が勝ってはじめて存在できるもの。そのため、反則ぎりぎりの行為もあり得るし、審判も観客が望む方向にゲームの結果をコントロールすることもあり得る。こうしたルールが(潜在的に)組み込まれていると思えばいい。 なお、テレビ観戦したサッカーの勝負のほうは、ヴェティスがバルセロナを2−1で辛うじて押し切った。 ところで、日本のサッカーでは前節、ホーム勝ちが少ないことが気になった。鹿島のようにホームの戦いをしながらゴールに見放され、結果として負けたのは仕方がない。一方、東京ヴェルディの戦い振りはいただけない。ホームがしなければいけないプレスが弱い。前からボールを追わないのだから磐田も楽だ。そのため、主力を欠いた磐田を相手に、退場者を出して競り負けた。東京ヴェルディもけが人が多いが、ホームでの戦い方を知らないし、気迫が反則につながるなど、技術水準が低い。バルセロナを破ったヴェティスのような、闘志あふれるプレーがホームでは求められている。
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