妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2013年02月25日(月) |
『ジキル博士とハイド氏』(小) |
【R.L.スティーブンソン 訳:大佛次郎 恒文社】
初大佛次郎がこれなのか、という気もしますが図書館にあったのがこれだったので。
これで『吸血鬼ドラキュラ』『フランケンシュタイン』と並ぶ、三大怪奇小説(と呼ばれてるかどうかは知らない)を読了したわけですが、前の二作と違うのはスティーブンソンが一発屋じゃないってことでしょう。 むしろ『宝島』とかの方が有名かも。
これまた有名すぎるが故に中身の詳細は知らないっていう小説でしたが、まずは語り手がジキル博士の友人のアッタスン弁護士だっていうところが知らなかったね。 なんとなくジキル博士視点とかジキル博士の手記形式かと思っていた。 博士の手記は終盤に出てきますが。 もう一つは二重人格の代名詞みたいに言われているからそうかと思ったけれど、ジキル博士が作った薬によって姿かたちまで変わってしまうというのも知らなかったけれど、副作用的なものじゃなくて己の善と悪を分離する目的で作られたのだから、博士の実験は成功と言える。
『フランケンシュタイン』の時もそうだけれど、フランケンシュタイン君にしろ、ジキル博士にしろ別に善人じゃないので善と悪の対立と言うようにはあまり見えず、お前のせいだよ!とか、お前の無計画さのせいだよ!という思いがひしひしと。 あと両作品に共通する、科学ならなんでもできるんじゃないかっていう文系発想。気持ちは分かるけども!
本筋と全然関係ない、アッタスン弁護士と毎週日曜日に散歩するアッタスンの二人の関係が気になって仕方ない。話しもしないでつまらなさそうにしながらも、毎週欠かさない習慣って何!
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