妄言読書日記
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2013年02月15日(金) |
『フランケンシュタイン』(小) |
【メアリー・シェリー 訳:山本正喜 角川書店】
超有名だけど、原作は読んだことがない小説のうちの一つ。他にもいっぱいありますが。 おそろしく訳が読みづらかったのだけれど、もっと読みやすい最近翻訳された物があるのかもしれない(1994年発行) 映画化した時に出したんでしょうか。
フランケンシュタインというと、今では怪物そのものの名前のように使われていますが、本来は怪物を生み出した青年の名前がフランケンシュタイン。 なぜか老人のイメージなんですが、青年。しかもただの学生。 学問を志しドイツで学び、なんとなく二年ほど熱中した結果人造人間を作り上げてしまうという。 なんで作ったし。あと雷関係なかった。 作ったはいいけど、そのおぞましさになかったことにして、逃げ去った怪物は忘れて一年ほど放置!
物語がフランケンシュタインを北極で助けた、ウォルトンという人物が姉に書き送った手紙という形で進行。 ただフランケンシュタインが生い立ちを語り始めてから、手紙形式なくなりますが。 ウォルトンとフランケンシュタインの出会いの熱の入りように、姉さんきっと心配になってるよ。BLの気配に。
それはさておき、逃げた怪物が知り合いの子どもを殺し、その濡れ衣を着せられた知り合いのお嬢さんが冤罪で死刑になるという展開を経て、怪物と再会しておきながら、悠長に怪物の身の上話を聞いたうえで、俺も女が欲しい、という願いをうっかり聞いてしまうフランケンシュタイン君はアホなのだろうか。 そのあとやっぱり止めるんだけれど。どうして早く怪物を倒す方向で決断しないのか!
そんな感じで終始、フランケンシュタイン君の行動には疑問しかわかなかったです。 派生作品がたくさんあるので、これは原石くらいに思って読むのがいいんでしょうか。 確かに刺激される設定ではあるんですが、この小説そのものの出来栄えには疑問です。
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