妄言読書日記
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2012年03月01日(木) 『秀吉の枷 下』(小)

【加藤廣 日経新聞社】

あれ、結局枷ってなんだったんだろうなぁ、という。
歴史ミステリーに属するのでネタバレなんぞも含みつつ感想を。

下巻は信長のことはさして引きずらず、山崎以降の秀吉の天下取りから、死去まで。
一番、ミステリっぽい展開したのは終盤の、淀と、秀頼出生にまつわる謎と、秀次および一族が処刑されるに至るくだりと、真相。
結局、秀吉真相に至らないし。
ミステリ読みからすると、おい!という感じだし、歴史小説としてはうがっているというか、一つのことから広げすぎという印象。
まあ、でも淀の生んだ子が秀吉の子ではないというのは、そろそろなんらかの研究でわかりませんかねぇ。
浮気相手にどんな説があるのか、検索したら大野修理説が有力みたいだけど、この小説ではその大野修理が淀の陰謀にたどり着くという。
三成説はちょっと……どうよ、と思いますよ。

しかし、秀次の事件の解釈はおもしろかったな、と。

本多忠勝を謀臣と書いてるのが気になります。
本多正信と間違ってるのかなぁ。

下巻にはさっぱり官兵衛が出てこなかったけど、最終的には意外と一人勝ちと言えなくもないので、よかったかな、と。



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