妄言読書日記
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2012年02月19日(日) 『秀吉の枷 上』(小)

【加藤廣 日本経済新聞社】

本能寺三部作の二作目。
一作目の『信長の棺』は未読ですが、ドラマで見た。確かドラマ。
これが流行った頃から妙に秀吉黒幕説が流行した気がしたんだけれど、これより前からかもしれない。

タイトルからわかるように、本能寺あたりの話しを秀吉を主人公に。
本能寺に掘られた抜け道や、消えた信長の死体などややミステリー的趣向もありつつ、どうせならもっとごりごりにミステリーにしてもらってもいいんだけど。

半兵衛が死ぬ辺りから始まり、相変わらず死せる半兵衛が生きてる人間を動かしている。
秀吉にとっての半兵衛はそんなに重要だったのだろうかと、実はけっこう懐疑的だったりもするけど。
官兵衛が牢獄暮らしでキリシタンかぶれになって、ちょっと不思議ちゃん。
で、やっぱり何たくらんでるかわからんという理由で、信用されない。かわいそ。
信用されないというか、根本的に人間的にそりが合わないのかもしれない。秀吉と官兵衛は。
歌のことがわからない官兵衛にはちょっと異議があります。

秀吉のことはとくに美化はされておらず。
誰のこともとくによくは書かれていないけど(半兵衛はともかく)、悪く書いてもいいから魅力的に書いて欲しいなぁ。



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