妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2003年11月06日(木) |
『マトリックス レボリューションズ』(映) |
【監督:ウォシャウスキー兄弟 アメリカ】
初日に観に行くなんて、まるでもの凄く待ちに待った人みたいなことをしてしまいました。 驚いたことに、さっぱり混んでない! あらあらあら・・・。
便宜的に「マトリックス」を1、「リローデット」を2、そして今作を3と呼びます。 上中下でも天地人でもいいですが、とりあえず。
人間と機械(システム)の戦争にどう決着をつけるのか、と思っていたら、共通の第三の敵・スミスを倒すと言う一時的目的により折り合いをつけるという決着。 なあなあですな。 機械としての矜持はないのか。おまえたち。ないか。機械だから。 ラストのあのネオとシステムの会話には嫌になるね。 変に人間臭くなっちゃってさ。 実体が無い、核が無い、それがマトリックスだったのでは。 何の解決にもなってない解決。 それなら1で終わればよかったのに。 マトリックス世界と決別できないってことですか。 どうして突き詰めあう形での解決を避けるかなぁ。 相互理解しろ、とは言わないけれど。もしくは勧善懲悪にしてしまえ。 そんな馴れ合いみたいな休戦協定なんか望んでないぞ!
2と3って、二つ合わせて3時間くらいの映画に出来なかったのかなぁ。 引っ張りすぎちゃったんだよ。 それに、3にさっぱり見せ場が残ってない。 アクションシーンがほとんどなかったです。 で、やっぱりマトリックスのアクションは、銃撃戦が一番かっこいい。あの無駄弾の使いっぷり。 1で一番感動したのはネオとトリニティの銃撃戦でした。 一作に一回、スコーピオンキックというのはノルマなの?
しかし前半はだるかった。 説明的セリフと観念的セリフの多いこと多いこと。2から顕著でしたけれど、私はテンポよい会話が好きなのよ。 また、字幕で読むから余計にだるいのかも。
1だけだったら大して気にしない、というかまあいいかと流せるのだが、三作ともなると言わずにおれない。 センティネルズはどうやって飛んでるんだ? とても生物的な動きをする所を見ると、きっと精密機械なのだろう。 精密機械というのはえてして脆いものだと思うのだが・・・。 そして、多すぎだろ。あれ、CG的には楽していたんじゃないか、と疑いたくなる。イナゴの大群みたい。 舟もどうやって飛んでるんだか。宇宙でも海底でもないんだぞ、そこは。 APU(ロボみたいなやつね)は、もっと操縦者を守ることを考えた作りをすべきだよ。 ミフネ船長(意外にも大活躍)鱠切りでした・・・。痛々しい。凄いリアルなメイクでした。 あれなら、私は斑鳩君(『D−LIVE!』)が運転する重機の方が破壊力があり、なおかつ防御力もあるんじゃなかろうか、と思わずにはいられません。 重機はロボットみたいなものだと思うな。工事現場見ててよく思う。
斑鳩君並の運転を見せてくれたナイオビ。 一番、救世主っぽかった。かっこいいです。 女性陣、大変がんばりました。 その中で、ヒロイン・トリニティ、短気に磨きがかかって… 1から見ると大層強くはなりましたが、怖いです。もうネオしか見えないな感じが。
一方のネオ。ずっと思っていたけれど、キアヌ・リーブスは目に生気が無い…。 おかげで緊迫しているように見えない。トリニティを愛しているのかも怪しい。 まさか、キアヌ、演技がへ・・・いやいやいや。言うまい。
そんなトリニティ、死す! て、流れとしては死にそうだったけれど、なんだかなぁ。 私はその後、ネオが自暴自棄になるのかと思いました。 「トリニティのいない世界を守って何になる」みたいなね。 そして、スミスを倒して自分が世界を破壊する、と。 そんな展開を想像したんですが、なかったですね。 ネオはデアデビルになるしね。
さてさて、注目のスミスとネオの対決。 過ぎればギャグになる・・・と。 ドラゴンボールだよ。あの空中戦は。ドラゴンボール実写も確かにできるな、と思いはしましたけれど、する意味はない。 もうコミック的で、それを実写でやる意味はあるのか?と。 アニメでやれよ。そういうのは。 ネオのパンチは「明日のジョー」かと思った。 雨水を切り裂くあたりは『HERO』だったし。先越されてさぞ悔しかったでしょう。だから引っ張りすぎなんだって。 雷を背にするスミスなんてもう、笑うしかない。 あとは巨大化すれば完璧、と思ったんですがしませんでしたね。 スミスがいつ、大魔神になるかドキドキしたんですけど。
おかしかったですけどね。 緊迫感はない。 間違った方向に面白くなってしまった。ああ。 『マトリックス』は本当にかっこよくて感動したんだけどなぁ。 あれで終わったことにしよう。
技術的な驚きはすぐに廃れるけれど、アイディアによる驚きはいつまでも廃れないもの。 それが一作目と、二作目以降の差、だと実感しました。
あー、セラフがいっぱい活躍してて嬉しかったです。 多分、この人が一番好きでした。ああ、このキャラがいただけで、二作目以降に意味があったかな。 しかし、モーフィアスは驚くほど出番なし!! パンフの表紙からもついに消えました。 いいのか・・・・・。
かさねがさね、私は『マトリックス』は好きだけれど、このシリーズは好きだと言えない。 『マトリックス』の感動よ、永遠に…封印、ではなくて。
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