妄言読書日記
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2003年10月13日(月) 『花影彼方』(小)

【真堂樹 集英社コバルト文庫】

マクシミリアン、嫉妬に身を焦がす、編。
全然焦げてませんけれど。
マクシミリアンは嫉妬という感情すら楽しんでますね。波風立っていないときは死にそうに退屈しているだけあります。
町を納める気ゼロの主を頂いているわりに、白龍市は今日も平和。
飛の苦労が忍ばれます。

このシリーズ最大の疑問なのですが、クレイ・ハーパーはなんのためにいるのか?
ほんっとーに何もしない。何の役にも立たない、というならまだしも、なんの役目もない。
マクシミリアンの友人、というだけ。
なのに、いまだに屋敷に同居中。
これほど存在意義がわからないキャラははじめてかも。
正妻に対する愛人ですか?マクシミリアン。
その場合、愛人の方が同居していると言う不思議。
クレイのことは好きですよ。でもね、いっつもなんでいるのかが気になって気になって。

いやしかし、マクシミリアンの友人と言うだけで凄いのかもしれない。

身を固める前に未練たらたらの昔の女に会いに来た、みたいな雷英。どうしてもお前が忘れられない、てな感じで。
ラストのマクシミリアンと雷英の立会いは、『HERO』ばりのアクションを想像して読んでいたら可笑しくてなりませんでした。
でもBGMは「喧嘩を〜やめて〜♪」ですかね。
飛も苦労しますな。
そんな飛もついに諦めて、マクシミリアンと同居を決意したみたいです。そうかそうか〜。

私、千雲と李夫婦が好きなので、きびしーい千雲が素敵でした。
今度はこの二人メインの番外編を…。
もしくは、老冬眠と草朗ご夫婦でも。こちらは胡散臭くてよいです。

しかしですね、この島、美男ぞろいはよいですが、子孫絶えるぞ?
嫁をもらえよ、おまえたち、と思わずにはいられません。乙女の夢を壊して悪いですけれど。
龍たちも嫁をもらえって。
この島の人口が激減したりしないかが心配です。

このシリーズの限りなくボーイズラブよりでありながら、素知らぬ振りでノーマルを装っているバランス感覚が好きです。
また、上手いこと書いて〜真堂さんったら〜って感じで。
他のシリーズは向こう側に行っちゃってますからなぁ。
今の新シリーズはタイトルが弾けすぎじゃないかと、読んでないから何とも言いませんが。



蒼子 |MAILHomePage

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