妄言読書日記
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2003年10月09日(木) 『<魔界刑事>凍らせ屋1』(小)

【菊地秀行 光文社文庫】

どうしたわけか読まないでいた「凍らせ屋」。
表紙が気に食わなかったのかもしれない。
だって、こんなの屍さんじゃない。
ドレッドじゃないし、花を散らしていると言っているのに花びらだし。
未弥氏の絵もそれほど好きではないが、イメージとしては正確だ。

タイトルの割に屍さん少なめ。
主人公だとばかり思ったけれど、主役は区外から赴任してきた鬼顔刑事。
こんな名前だけれど童顔。でも名前どおり凶暴。
なんだか鬱陶しいので、さっさと<新宿>と屍さんに慣れて、余計なことを聞かないでもらいたい。

そういや、絶世の美貌が出てこない菊地作品とはまた珍しい。

魔震って、マグニチュード8.5以上だったか。忘れてた。
この間の北海道の地震で、8。
魔震の凄さよりも前に、しみじみとこの間の地震が凄かったのだと実感します。怖い怖い。

舞台は魔界都市ですが、白い医師や黒い人捜し屋は出てきません。物足りないです。
代わりに、懐かしのガーレン・ヌーレンブルクが出てきてます。ちょっとだけ。
かの魔法使いが死んでから、高田馬場の登場率がぐっと下がった一連の魔界都市シリーズ。
妹では力不足なのか。

外谷さんは健在です。菊地氏としてははずせないのでしょう。

鬼顔刑事が慣れていないせいか、まだ<新宿>らしい描写が少ないように思います。
2巻は屍さんの活躍を楽しみにして・・・2巻見つかるかなぁ。
でも、魔界都市ブルースやら、メフィストに出てきている時と、ちょっとキャラが違うような…。
メフィストやせつらが超人すぎて、普通に見えてしまうのかも。それも凄い。

今回妙に目から鱗だった描写
まさか、十万ボルトの直撃を受けた公務員が、寝たまま拳銃をポイントしていようとは。

そうだよな。新宿と言えども、屍さんは刑事だから公務員なんだよな。
この人、筆記ちゃんと通ったんだろうか・・・。
公務員ほど新宿に馴染まない職業はないように思います。



蒼子 |MAILHomePage

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