妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2003年04月16日(水) |
『三国志7 吉川英治歴史時代文庫39』(小) |
【吉川英治 講談社】
いよいよ七巻。 関羽が張飛が曹操が劉備が・・・。 関さんの呪は強烈なのか関さん死後、次々に。 呂蒙なんてもう怪談です。 関羽の祟りは相当怖い。
曹操様もついについに。 私はこの人は絶対に戦場で死ぬ、と頑なに思ってました。 いつ死んでもおかしくない戦が多かったからかもしれませんが。 病床にあって、 「英雄が死に臨んで、道士に祓いをさせたなどと聞えては、世のもの笑いになるだろう」 臣の言葉を退けたあたり、曹操だなという感じです。 晩年に輝かしい戦歴や功績が乏しい感はありましたが、三国志の英雄は曹操だと思うのです。 同じ年に夏侯惇も亡くなりどんどん寂寥感が増して行きます。
一方の劉備。 孔明ももっとしっかりと引き止めなさいよ、と思わないではなかった夷陵。 劉備の有名な孔明への遺言にはやはり涙です。 「もし劉禅がよく帝たるの天質をそなえているものならば、御身が補佐してくれればまことに歓ばしい。しかし、彼不才にして、帝王の器でない時は、丞相、君みずから蜀の帝となって、万民を治めよ・・・」 なかなかそんなことは赤の他人の孔明に言えるものではないと思うのですが、そこが劉備の人柄なのかもしれません。 出師の表よりも泣きます。
南蛮行の孔明はやけに楽しそうに見受けられます。 まあ、最後は戦車まで使用して、 「自分は必ず寿命を損ずるであろう。いかにもとはいえ、かくまで、殺戮をなしては」 と涙を流してはいましたが。 やっといて泣くな、と言いたい気もしますが・・・。その後、趙雲に渇入れられてました。この二人は仲が良いです。
劉備の死後の孔明は非常に生き急いでいる感があります。 次はいよいよ最終巻。間に北方を挟んでいたのでずいぶんと長く感じます。
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