妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2002年07月17日(水) |
『まほろば市の殺人 秋 闇雲A子と憂鬱刑事』(小) |
橘義明からメールきたーーっ!! (訳:炎の蜃気楼メルマガのことらしい) 不意打ちだ!そんな名前でメール出すなよ!! (訳:興奮で文字が読めなかったらしい)
いやぁ。ネットって怖いですね。 こうやってメール来ると、二次元も現実のような気がしてくる。 怖い怖い。 そう。あの人の誕生日近いのよね。そして新刊発売日も(わーまた馬鹿晒すんだ)。
【麻耶雄嵩 詳伝社文庫】
関係ない前置きで叫んでしまいました。失礼。
まほろ市というのは、架空の都市でそこを舞台に、四人の作家がミステリーを書くという企画らしい。 その、第三作目。 麻耶雄嵩が好きなので、つい3作目から読んでしまった。
都市の地図とか、遍歴の細かさ。さすが。 それだけ見てても面白い。 戦国時代に、鮎川氏と横溝氏が対立って! 銘菓が、“有梅”で、工芸品が“蜜漆”。要するに、アリバイと密室か!! 他にも地名が、凝ってる凝ってる…。舞久浜まである(浜マイクか?) 全部わからないのが悔しい。まだまだマニアまでは程遠いですな。
で、中身。 薬師寺涼子をもう少しお馬鹿にしたような、闇雲A子。 そして、メランコ刑事こと天城憂。本当に憂鬱な男だし。
それにしても、“鬱”って名前、よく市役所で受理されたなぁ。 普通されない。 あ、推理小説に普通は禁句ね。
連続殺人犯に、怪盗紳士まで現れ、昔ながらの推理小説の雰囲気を漂わせつつも、麻耶雄嵩の嫌な感じは今回も付きまとい。 それは私が、警戒して読んでいるからかもしれない。 麻耶小説はこれくらい、軽いテンポが丁度いい。 重いと、ただでさえ後味悪いのに、読み終わった後にどんよりする。
耿子さんの「あなたがもう少し優しくなったら−−−」のセリフで、ああ、憂に人偏で優しいだなぁ、というところまで、分ったくせに、ぬいぐるみだの置物の意味に気付かなかった自分のアホさ加減よ…。
真幌キラーの正体は、まあそんなこったろうよと思ったけれど、珠代殺しの犯人が、それって……。ギリギリ反則じゃないのか?名前すら出てこないゼ。オイ。 でも、まあ、麻耶雄嵩だし。と納得させてしまうのが、麻耶雄嵩の実績なのか。
私もA子と一緒に「怪盗ビーチャム様」と言いたくなった。 古典的だとわかっていても、怪盗って好き。
しかし、メランコ刑事よ。優しくなれ。 そこまで分ったんだからさあ。
他の作家が真幌市をどう書いているのか気になってきた。 有栖川有栖は読んでもよいな。 そういや我孫子武丸って読んだことないし、倉知淳にいたっては誰だっけ? この機会に読んでみよう。
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