妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2002年03月16日(土) |
『<銀河の荒鷲シーフォート>大いなる旅立ち』(小) |
【デイヴィッド・ファインタック 訳:野田昌宏 上下巻 早川文庫】
翻訳ものは苦手だが、ちらほら評判を聞くので読んでみた。 どう評価したら良いのか分らない。 でも、友人に薦めるなら『銀河英雄伝説』を選ぶ。
タイトルと表紙から、宇宙空間で戦闘でも繰り広げるのかと思っていたら、至って平和。 次から次へと迫り来る危機もなんか、緊迫しない。 艦を乗っ取られそうになったり、未知の生物と遭遇したりしてるんだけど…。
私はそんなアクシデントよりも、“しごき”がメインなのかと、思っておるんですが。 いや・もう、公認セクハラ天国? 愉快です。 鞭打ち・目隠し・監禁。 こうして並べると凄いな。 私はもうちっと、シーフォートが苛められるのが見たかったんですが、艦長になっちゃあ誰も苛められませんな。
シーフォートに手なづけられて以降のヴァクスが、シェパード犬みたいで可愛いです。 艦長への愛がひしひしと、ね。 ヴァックスの愛情は艦員公認だから。
周囲の評価よりも本人の評価の方が、よっぽど正確なような気がするのは私だけか? あまり、艦長に向いているようには見えん。 訳者あとがきの 「軍規だけを厳格に遵守して権威にしがみつくことで、なんとかやっとアイデンティティを保つ高圧的で偏狭でクソ真面目、どうにも鼻持ちならぬ未成熟でぎこちない坊やの物語・・・」 ってのが一番正鵠を射ていると思いますよ。 ほんと、シーフォートってこんな奴でしょ。
今後は、艦長がどれだけアイドル化するのかが見ものかと。思ってるんですけどねぇ…。 艦長の為なら命を投げ出す男どもがもっと見たいですよ。 で、シーフォートは変わらず無謀に敵地へ乗り込み、部下達をはらはらさせてもらいたい。
しかし、結婚はいただけないな。 なんで、一作目にして結婚なんかするかな。シーフォートよ。 まだ、20じゃないか。つまらない。 アマンダが好きじゃないんだよなぁ。 ダーラの方が好きだ。いくらなんでも“彼女”と結婚しろとは言わないが。
基本的にあまり好きなキャラがいないのが、ハマりきれない最大要因かもしれない。 もう読むのやめようかな、と思ったんだけれど、訳者あとがきが上手なのでついつい先が気になっちゃう。 本文訳はあまり上手くないのに。
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