妄言読書日記
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2002年03月09日(土) 『屍鬼』(小)

【小野不由美 全五巻 新潮社文庫】

読後、ネットで検索かけてみて相当不本意な思いをした。
まず書評(そもそも書評とかいうもの大嫌い。読むだけ読んで作者の意向をなんも汲んでない輩がしたり顔でとうとうと語るんじゃない)
「面白くない。」ああそうですか。
(ただし、私自身も読みながら男受けはしないな、とは思いましたよ。あとホラーだと思って読むと、なんだ吸血鬼かってことになる。村人一人一人の個性を出して書いた小野さんの意図を汲め、と言いたい)
んで、『屍鬼』サイトがえらい少ないね!

怖い怖いと聞いていたけど、私は全編通してニコニコと読みましたね。
もう、静信と敏夫がっ!!
特に静信がツボに入りまして、好きでしょうがない。
で、読後知ったんだけれど、静信って嫌われ者?
好かれちゃいないだろうとは思っていたけれど、主役(だよな)なんだからもうちょっと愛してあげてもらえないだろうか。
静信と敏夫がそのうち死ぬんじゃなかろうかと、終始びくびくしてました。
よかったぁ。二人とも死ななくて(死んだとは言えないだろ。静信は)

物語りも後半、囚われ(非常食扱い)の静信にたまらなく色気を感じるのが私だけだとしても、強固に主張し続ける。
沙子だけではなく、辰巳も敏夫もそしてきっと光男も静信にべた惚れです。
そういうことになってるんです。私の脳内では。
でも、静信自身はそんな自分に無頓着。

内容的なことで言えば、五巻は怖い。
地下トンネルがとにかく、もうそんな細かい描写はやめてくれってほどに、怖い。
人間って残酷だぁ。
村人には苛々しっ放しだった。噂話ばかりではなく、さっさと事実を認めろ、と。

しかし、四巻の裏の粗筋、おかしくありません?
誰のこと言ってるのかと思ったよ。
あれじゃあ、敏夫がマッドサイエンティストだ。
100%嘘じゃないけれど正しくもない。

屍鬼は吸血鬼だと言われてしまえばそれまでだけれど、吸血鬼の弱点の理由をあんなにしっかりと説明している人はそうそういないのでは?
さすが小野さん。

静信への愛を叫んでますけど、律ちゃんがとっても好きだった。
唯一涙したシーンだね。律ちゃんが屍鬼になって目覚めた時の、決然とした態度は。
看護婦さんは偉い。

美少女好きなので、沙子も勿論好き。
沙子と静信という組み合わせがとっても気に入ってる。

辰巳は死んでいないと判断してます。
(冒頭の運転手って誰なのかしら??)



蒼子 |MAILHomePage

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