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| 2007年12月10日(月) ■ |
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| 裸でネコの隣りにいると |
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君が眠っているうちに パンもすっかり焼きあがって 夕焼けも細長くなりすぎました その片っ端には釣り竿がむすんである もう片方にはお魚がくっつけてある
君が眠っているうちに 船は港に帰ってきました 汽笛がそれを教えたとき おじいさんは手紙を読み終えます 古い手紙と古い椅子、まっ黒な毛並みを撫でながら
君が眠っているうちに カーニバルは終わってしまいました みんな家へと帰っていきます シッポをぴんと立て靴屋さんの軒下へ 厚い肉球で理容室の自動ドアを開けて
君が眠っているうちに 列車は花の駅を出て行きます みぎにひだりに揺さぶられ 荷台からキャットフードを落っことして ノラたちの国境を越えました
旅人は列車を降りてから 空や海や草や道にたくさん名前をつけおえて 泥のついたダンボールから一匹抱き上げたところ 子どもたちもかけ寄ってきた なんて名前をつけたんだろう
君がきっと行くことのない はるか遠い国にも鳴き声がきこえてる 裸でネコの隣りにいると 頬にヒゲが生えてくるようです
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